あゆ「占いって?」
名雪「今朝のテレビの占い」
あゆ「悪かったの?」
名雪「うん・・・」
名雪「わたし、もしかすると、もう二度とけろぴーが食べられないかも・・・」
お前の不幸はその程度なのか・・・って、オイ!
祐一「けろぴーを食べるなぁっ!」
あゆ「その気持ち分かるよっ。ボクも埋蔵金無くなったら嫌だもん」
嫌とかそう言う問題か?
祐一「・・・・おい、あゆ」
前を歩く名雪に気づかれないように、小声であゆを呼び止める。
あゆ「・・・・どうしたの?」
祐一「お前からも、占いなんか気にするなって言ってやれ」
あゆ「うんっ、そうだね」
祐一「さりげなく言うんだぞ」
あゆ「任せてよっ。さりげなくは得意だから」
絶対に嘘だ。
と、思わず口をついて出そうになったが、別の言葉を言っておく。
祐一「・・・頼んだぞ」
あゆ「うんっ」
必要以上に元気良く頷いて、名雪の元に駆け寄る。
あゆ「占いなんて非科学的なもの信じるだけ馬鹿を見るよっ!」
ガビーン!
祐一「っていうか、ストレートすぎっ!」
いや、そこまで言うと、Kanonのストーリーが非科学的なものになってしまうだろっ!
だいいち、お前自体が非科学的じゃないかっ!
★ ★ ★ ★ ★
祐一「・・・今日は、イチゴサンデー早食いと牛丼早食いだな」
そして、明日はうぐぅ語を勉強して、これで試験は大丈夫なはずだ。
祐一「・・・今日も、一緒に勉強するか」
必要なものをもって、部屋を出た。
名雪「今日もがんばろうね」
祐一「俺は、イチゴサンデー早食いと、牛丼早食いをかたづけてしまうつもりだけど」
名雪「うん。わたしもそれでいいよ」
祐一「名雪、実はずっと気になっていたんだけど」
名雪「うん?」
祐一「・・・そのシャーペン、重くないか?」
名雪「ちょっとだけ」
祐一「凄く使いづらそうなんだけど・・・・」
名雪「そんなことないよ。私のお気に入りだもん」
祐一「もしかして、腕を鍛えてるのか?」
名雪「そんなに重くないよ・・・」
名雪「300トンぐらい」
祐一「十分重いだろっ!」
一体、どんな手をしてるんだ名雪は・・・。
★ ★ ★ ★ ★
名雪「祐一はきっと、この街が嫌いなんだよ」
まるで何かを見透かしたように、名雪が言葉を続ける。
名雪「・・・・間違ってるかな?」
祐一「・・・いや、その通りだ」
俺は、この街が嫌いだった。
ずっと、拒絶しつづけていた。
7年前の、あの冬から・・・。
今まで、ずっとこの街が嫌いだった。
だけど・・・。
名雪「私は、祐一にもこの街を好きになって欲しいよ」
名雪「この街が大好きだった、あの頃の祐一に戻って欲しいよ」
祐一「・・・ダメ・・・かな・・?」
祐一「わからない・・・」
それが、今の俺に出来る、精一杯の返事だった。
名雪「うん。そうだね」
ふっと、名雪の表情が緩む。
名雪「期待してるよっ」
月明かりの名雪が、今度は間違い無く微笑んでいた。
そして、そんな笑顔を見て、気づいたことがあった。
俺は・・・。
たぶん、名雪のことが好きなんだと思う・・・。
今まで、すぐ近くにあって、それでも見ないようにしていた答え・・・。
まるで霧が晴れるように・・・。
その答えが、今、目の前にあった。
1月23日 完
評:全部ギャグでくると思ったでしょう?ちゃんとおいしい所はやるのさっ♪
しかしここからが大変だな・・・・。ホントどうしましょう。