1月23日

あゆ「占いって?」

名雪「今朝のテレビの占い」

あゆ「悪かったの?」

名雪「うん・・・」

名雪「わたし、もしかすると、もう二度とけろぴーが食べられないかも・・・」

お前の不幸はその程度なのか・・・って、オイ!

祐一「けろぴーを食べるなぁっ!」

あゆ「その気持ち分かるよっ。ボクも埋蔵金無くなったら嫌だもん」

嫌とかそう言う問題か?

祐一「・・・・おい、あゆ」

前を歩く名雪に気づかれないように、小声であゆを呼び止める。

あゆ「・・・・どうしたの?」

祐一「お前からも、占いなんか気にするなって言ってやれ」

あゆ「うんっ、そうだね」

祐一「さりげなく言うんだぞ」

あゆ「任せてよっ。さりげなくは得意だから」

絶対に嘘だ。

と、思わず口をついて出そうになったが、別の言葉を言っておく。

祐一「・・・頼んだぞ」

あゆ「うんっ」

必要以上に元気良く頷いて、名雪の元に駆け寄る。

あゆ「占いなんて非科学的なもの信じるだけ馬鹿を見るよっ!」

ガビーン!

祐一「っていうか、ストレートすぎっ!」

いや、そこまで言うと、Kanonのストーリーが非科学的なものになってしまうだろっ!

だいいち、お前自体が非科学的じゃないかっ!

★  ★  ★  ★  ★

祐一「・・・今日は、イチゴサンデー早食いと牛丼早食いだな」

そして、明日はうぐぅ語を勉強して、これで試験は大丈夫なはずだ。

祐一「・・・今日も、一緒に勉強するか」

必要なものをもって、部屋を出た。

 

名雪「今日もがんばろうね」

祐一「俺は、イチゴサンデー早食いと、牛丼早食いをかたづけてしまうつもりだけど」

名雪「うん。わたしもそれでいいよ」

 

祐一「名雪、実はずっと気になっていたんだけど」

名雪「うん?」

祐一「・・・そのシャーペン、重くないか?」

名雪「ちょっとだけ」

祐一「凄く使いづらそうなんだけど・・・・」

名雪「そんなことないよ。私のお気に入りだもん」

祐一「もしかして、腕を鍛えてるのか?」

名雪「そんなに重くないよ・・・」

名雪「300トンぐらい」

祐一「十分重いだろっ!」

一体、どんな手をしてるんだ名雪は・・・。

★  ★  ★  ★  ★

名雪「祐一はきっと、この街が嫌いなんだよ」

まるで何かを見透かしたように、名雪が言葉を続ける。

名雪「・・・・間違ってるかな?」

祐一「・・・いや、その通りだ」

俺は、この街が嫌いだった。

ずっと、拒絶しつづけていた。

7年前の、あの冬から・・・。

今まで、ずっとこの街が嫌いだった。

だけど・・・。

名雪「私は、祐一にもこの街を好きになって欲しいよ」

名雪「この街が大好きだった、あの頃の祐一に戻って欲しいよ」

祐一「・・・ダメ・・・かな・・?」

祐一「わからない・・・」

それが、今の俺に出来る、精一杯の返事だった。

名雪「うん。そうだね」

ふっと、名雪の表情が緩む。

名雪「期待してるよっ」

月明かりの名雪が、今度は間違い無く微笑んでいた。

そして、そんな笑顔を見て、気づいたことがあった。

俺は・・・。

たぶん、名雪のことが好きなんだと思う・・・。

今まで、すぐ近くにあって、それでも見ないようにしていた答え・・・。

まるで霧が晴れるように・・・。

その答えが、今、目の前にあった。

 

1月23日 完

評:全部ギャグでくると思ったでしょう?ちゃんとおいしい所はやるのさっ♪

しかしここからが大変だな・・・・。ホントどうしましょう。