裏Kanon〜あゆ編〜

プロローグ

名雪「急いで勝ってくるよ」

祐一「じゃあ、俺ここで待ってるから」

名雪に買い物鞄を渡す。

名雪「絶対に待っててね」

名雪「勝手にどっか行ったら嫌だよ」

祐一「大丈夫だって」

それに、ひとりだと家まで帰れる自信が無い。

名雪「それでは、行ってきます」

祐一「ああ」

ぱたぱたと、ひとりで商店街の奥へ消える。

祐一「・・・・さて」

名雪の後ろ姿を見送って、そしてしばらく街並みを眺めながら時間をつぶす。

商店街の佇まいは、昨日まで暮らしていた街とさほど変わり無い。

街が白い雪に包まれている以外は。

祐一「それにしても・・・」

暇だ。

それに寒い。

歩いている時は少しマシだった寒さが、じっとしていると再び襲ってくる。

すぐに戻ると言った名雪は、案の定なかなか戻ってこない。

何時の間にか俺の立っている周辺の人通りも多くなっていた。

所々に雪の残る商店街を、買い物帰りの人が思い思いの方向へ歩いていく。

陽がゆっくりと傾いて、落ちる影が石畳に伸びる。

7年前にも、この景色を俺は見ていたんだろうか。

記憶の奥底にある、雪の思い出。

目を閉じてゆっくりと記憶を掘り起こす。

白い雪。

街並み。

いとこの少女。

そして・・・・・。

声「そこの人っ!」

祐一「・・・え?」

突然の声。

そして、意識が現実に引き戻される。

声「どいてっ!どいてっ!」

状況がわからないまま、気がつくとすぐ目の前に女の子がいた。

いた・・・というか、走っている。

手袋をした手で大事そうに旧日本軍の不発弾を抱えた、小柄で背中に羽の生えた女の子だった。

・・・って不発弾?

女の子「うぐぅ・・・・どいて〜」

べちっ!

チュドオオオオオオオオオンッ!

祐一「ぐあああっ!」

女の子「うぐぅ、痛いよぉ〜」

祐一「痛いのはこっちだっ!」

そもそもなんで俺生きてるんだろう・・・・。

あ、主人公だからか。

 

これが、俺とあゆの出会いだった・・・・・・・・・・。

 

あゆ編、プロローグ 完

評:うぐぅ、体張ってるよ〜、な炭物です。もうすぐ課題テストです。模試もあるそうです。じゃあなんで俺はSS書いてるんでしょ?

もういいです、あきらめました。というわけで、怒涛の勢いで裏Kanon、あゆ編スタートですっ。