あゆ編 1月19日

 

名雪「ちょっと待っててね。すぐに電池交換して貰うから」

言い残して、名雪が時計屋に入っていく。

祐一「・・・・・・・」

しばらく待っていると、殺気がしたので素早く身を伏せると、俺が立っていたところに手投げナイフが飛んできた

祐一「名雪か?」

テキスト通りに喋るとかなり違和感のあるセリフだ。

あゆ「こんにちは、祐一君っ」

振りかえると、名雪ではなく、あゆが笑顔で立っていた。

なんて挨拶の仕方だ・・・・・。

祐一「なんだ、あゆか」

あゆ「うぐぅ、なんだはひどいよ〜」

祐一「てっきり、ほ〜ちゃんだと思った

・・・・って、ほ〜ちゃんって、誰!?

(ほ〜ちゃん、勝手にネタに使ってごめんなさい。)

 

あゆ「・・・なゆき?」

あゆが、聞きなれない名前に首を130度ほど捻っている

死ぬって。

あゆ「・・・・・食べ物?」

祐一「食うな」

あゆ「・・・・・飲み物?

祐一「飲むな」

そういや、あゆは名雪と一度も顔を合わせたことがないのか・・・。

祐一「秋子さん、知ってるだろ?」

あゆ「うん。ボク秋子さん大好きだよ」

祐一「秋子さんの、娘さんの名前だ」

あゆ「そうなんだ・・・・・」

あゆが感心したように頷いている。

祐一「ちなみに、俺のいとこだ」

あゆ「もしかして、一緒に住んでるの?」

祐一「そういうことになるな」

あゆ「そうなんだ・・・・・」

名雪「お待たせ、祐一・・・・?」

店を出てきた名雪が、あゆの姿を見つける。

祐一「こいつが名雪だ」

あゆのために、簡単に紹介する。

あゆ「・・・・・」

じゅるり。

祐一「食うなっ!」

しかも、これって前のネタ使ってるし・・・・。

★  ★  ★  ★  ★

名雪「ええっと、あゆちゃんって呼んでいいのかな?」

自己紹介が終わって、名雪が先に話しかける。

あゆ「うん。あゆちゃんでいいよ」

名雪「私のことも、姉御って呼んでいいよ

あゆ「・・・・姉御?

ちょっと待てぇっ!姉御って何だっ!

あゆ「・・・やっぱり、名雪さんって呼ばせてもらうよ」

名雪「残念・・・・・・」

名雪は、姉御と呼んで欲しかったらしい。

・・・・普通呼ばれたいか?

 

名雪「そうだ」

名雪「もし良かったら、これから遊びに来る?」

あゆ「え?」

思わぬ誘いだったのか、あゆが驚いたように訊き返す。

名雪「お母さんも大歓迎だと思うよ」

あゆ「・・・・」

名雪「どうかな?」

あゆ「でも、日が暮れちゃうよ・・・・」

名雪「それなら、泊まっていったらいいよ」

あゆ「でも・・・・・」

あゆにしては、珍しく遠慮がちだった。

祐一「そうだな、泊まっていったらいいんじゃないか?」

名雪が乗り気なのに、理由なく反対することもないと思った。

名雪「どうかな、あゆちゃん?」

あゆ「・・・本当にお邪魔していいの?」

名雪「うん」

あゆ「・・・」

祐一「俺も構わないぞ」

あゆ「・・・・・・」

名雪「お母さんも歓迎するよ」

確かに、あの人だったら手放しで大歓迎だろうな。

あゆ「・・・・うん」

あゆが、こくんと頷く。

名雪「決まり」

名雪も嬉しそうに頷く。

結局、うまい闇鍋屋にも立ち寄ることなく、まっすぐ名雪の家に向かうこととなった。

・・・って、闇鍋屋寄るつもりだったのか?

 

あゆ編 1月19日 完

あとがき:名雪が「姉御」って呼ばれたら、どう反応するんでしょうね・・・。あと、あゆってナイフの扱いが上手だったんですね・・・