6時間目終了の知らせを告げるチャイムの音が、校舎の中に響いていた。
祐一「よし、放課後だ」
香里「・・・全然、良しじゃないわよ」
祐一「邪魔するのか、香里?」
香里「相沢君、今日は儀式当番よ」
祐一「いや、俺は転校してきたばっかりだから、なんのことだか・・・って、儀式!?」
香里「・・・前の学校にだって、儀式当番ぐらいあったでしょ?」
祐一「あるかぁっ!!!」
はい、と呪文書を渡される。
祐一「・・・なんで、香里が取り仕切ってるんだ?」
香里「あたし、儀式委員だから」
仮面を持って、そんな事を言う。
祐一「・・・全然知らなかった」
香里「とにかく、帰るんだったら、儀式してからね」
逃げてぇ・・・・
名雪「儀式っ、儀式っ」
謎の歌を口ずさみながら、杖を振り回している名雪は楽しそうだった。
あゆ「・・・・・・」
夕焼けの赤に包まれて、一人の少女がベンチに座っていた。
祐一「よお」
あゆ「・・・・・あ」
少女が、俺の姿に気づいて顔を上げる。
あゆ「うぐぅ・・・遅いよ・・・」
祐一「悪い。儀式当番だったんだ」
あゆ「そうなんだ・・・」
何故納得?
拗ねたあゆの表情が、ゆっくりと表情を和らげる。
あゆ「だったら、仕方ないね」
立ちあがって、ぽんぽんとコートについた粉雪を払い落とす。
あゆ「儀式はちゃんとしないとね」
しないといけないのか!?
祐一「今日は、これからどうする?」
あゆ「もちろん、いつもの場所だよ」
いつもの場所・・・・
あゆ「・・・・あれ?」
あゆ「あはは、いつもの場所ってどこだろうね」
困ったように笑う。
自分で言っていて、分からなかったらしい。
祐一「商店街のことなんじゃないか?」
あゆ「そっか。だったら、商店街っ」
祐一「よし。じゃあ、手でもつないでいこうか」
あゆ「嫌だよ」
祐一「どうして?」
あゆ「恥ずかしいもん」
祐一「こんな人通りの多いところで生命力吸い取るほうが恥ずかしいと思うけど・・・・」
あゆ「わっ、あれは・・・その・・・・」
真っ赤になって下を向いてしまう。
そんな仕草もどこか可愛く見えた。
・・・・可愛く見えたのか?俺。
祐一「そうだ・・・一つだけ訊いて良いか?」
あゆ「うん。ボクで答えられることなら、いいよ」
あゆの手をポケットにしまったまま、夕焼けの道を歩く。
祐一「前々から気になってたんだけど・・・どうして、いつも『ボク』なんだ?」
あゆ「人気出るから」←即答
祐一「うわ。お前、最悪・・・・」
っていうか、こんなネタ書いた作者も最悪・・・
炭物「ほっとけ・・・」
あゆ編 1月25日 完
あとがき:ぐ・・・マジであゆファンに殺されるかな?(汗)