It is......being 7 years blank

名雪「おかあさん、じゃあいってくるねっ」

秋子「はい、いってらっしゃい。今日は特別な日になるから御馳走作らなくちゃいけないわね」

名雪「わっ、やったぁ」

そう、今日は特別な日・・・

祐一が、この街に帰ってくる日だから・・・

 

祐一を迎えに駅まで歩く。

7年・・・・・

もう、そんなに経つんだね。

あの、冬の日から・・・・・・

私が、雪うさぎを祐一にあげた日・・・

私が、祐一に想いを伝えようとした日・・・

そして・・・・・

祐一が、全てを拒否した日・・・・

7年たって、祐一は変わったかな?

7年たって、わたしは変わったかな?

7年前のこと、祐一は覚えてるのかな?

7年も立ったんだから、覚えていなくても不思議じゃないね。

でも・・・・忘れていても、思い出して欲しい、とは思う。

でも、思い出したら、わたしはどうすればいいんだろう?

わたしは、思い出した祐一にどうしてほしいんだろう?

・・・・わからない。

・・・でも、会えば分かる気がする。

なんとなく、だけどそんな気がする。

じゃあ、早く祐一を迎えに行かなくちゃ。

名雪「・・・・・・あれ?」

ここ、どこだろう・・・

考え事をしていたら、知らない道に入っちゃったみたい・・・

それに・・・・

名雪「わ。時間もだいぶ過ぎちゃってる・・・・」

早くもとの道に戻らないと・・・

名雪「ふぁいとっ、だよ」

わたしは自分に言い聞かせて、元の道をたどり出した。

 

名雪「・・・うー」

やっと出れた・・・・

名雪「・・・・わ」

待ち合わせ時間から、2時間も過ぎてる・・・・

祐一、怒ってるかな・・・・

名雪「・・・あ」

いた。

駅のベンチに座っているひと。

姿形は7年前よりずっと大きくなっているけど・・・

でも、雰囲気で分かる。

祐一だ。

そっと、近づいてみる。

祐一「・・・・・・・・」

祐一はじっと下を見ている。

もう少し近づいてみよう・・・

と、祐一が顔を上げた。

名雪「・・・・・・・・」

突然顔を上げたので、なんて言ったらいいか分からなかった。

名雪「雪、積もってるよ」

やっとそれだけ言うことが出来た。

祐一「そりゃ、2時間も待ってるからな・・・・」

わ。やっぱり怒ってるかも・・・

よし。

名雪「・・・・あれ?」

名雪「今、何時?」

祐一「3時」

名雪「わ・・・びっくり」

嘘をつこう。

名雪「まだ、2時くらいだと思ってたよ・・・」

待ち合わせ時間を間違えたにしよう。

祐一は、なんだか呆れたような表情をしていた。

名雪「ひとつだけ、訊いていい?」

祐一「・・・ああ」

名雪「寒くない?」

祐一の肩には雪が積もっている。

祐一「寒い」

わたしが待たせちゃったからだね・・・ごめんね、祐一。

名雪「これ、あげる」

寒がってると思って買ってきた缶コーヒーを差し出す。

名雪「遅れたお詫びだよ」

名雪「それと・・・・・」

それと・・・・

それと・・・・

名雪「再会のお祝い」

祐一「7年ぶりの再会が、缶コーヒー1本か?」

名雪「7年・・・そっか、そんなに経つんだね」

祐一「ああ、そうだ」

・・・・・・。

なんて言ったら言いか思いつかない。

名雪「わたしの名前、まだ覚えてる?」

思わず、そんなことを言ってしまう。

祐一「そういうお前こだって、俺の名前覚えてるか?」

名雪「うん」

忘れるわけ無いよ。

そう言おうとしたけど、声が出なかった。

だから、わたしの好きだった人の名前を呼ぶことにする。

名雪「祐一」

祐一「花子」

名雪「違うよ〜」

ひどいよ、祐一・・・・。

祐一「次郎」

名雪「わたし、女の子・・・」

こういう意地悪なところは、昔から変わってないんだから・・・

祐一「いい加減、ここにいるのも限界かもしれない」

名雪「わたしの名前・・・」

祐一「そろそろ行こうか」

名雪「名前・・・・」

もしかして、ホントに忘れちゃってるの?

凄く不安だよ・・・

祐一「行くぞ、名雪」

名雪「あ・・・・・・・」

覚えていてくれた・・・・・・

7年たっても、わたしの名前覚えていてくれたんだ・・・

名雪「うんっ」

嬉しいよ、祐一・・・・・・

そして・・・・・・・・

これから、よろしくねっ

 

END

作者の一言:

最近、名雪属性な炭物です。書いてるSSにまで影響が出てきてしまいましたね(笑)祐一が雪の降る街に着いた日の名雪視点です。名雪が何を考えていたか・・・そう思って突発的に書いてしまいました。それにしても乗っている時は早さが違いますね。40分で書けましたよ。ちなみにタイトルを和訳すると「7年間の空白を・・・」になります。翻訳ソフトでやったんだから間違いねぇッス(爆)