昼休みになると、俺は屋上に向かう。
すると、彼女達に会える。
佐祐理「あ、祐一さん。こんにちはーっ」
祐一「また来ちゃったけど、おじゃましていいかな?」
佐祐理「あははーっ、大歓迎ですよ」
佐祐理さんは本当に、人当たりのいい人である。
に、比べてこっちは・・・・・・
けろぴー「・・・・・・・・・・」
相変わらず、目もくれない。
俺が裸で座っていたって、淡々と飯を食っていそうな気がする。
祐一「舞、夕べはどうだった・・・・・って、なにいっ!?」
気づくと、舞ではなく、けろぴーが座っていた。
っていうか、なんでけろぴーが学校来てるんだっ!
いや、根本的に舞はどこいったんだぁっ!
佐祐理「温かい紅茶がありますけど、いかがですか、祐一さん?」
その佐祐理さんが魔法瓶を手に勧めてくれる。
祐一「お、いいね。でも、コップがないんだけど」
ジュースの缶はあったが、まさかその中に注ぐなんてことはできないだろう。
佐祐理「佐祐理ので良かったら・・・・・・」
佐祐理さんが言い出した途中で、にゅっと思わぬ方向から手が伸びてきた。
舞が(いつのまにかそこに居た)、自分のコップを俺に向けて差し出していた。
佐祐理「舞、いいの?」
舞「・・・後で返してくれたら」
祐一「そうか、悪いな・・・って、まだ中、残ってるんだけど・・・」
舞「いい」
祐一「・・・・・・」
まあ、これが舞なりの精一杯の誠意なのだろう。
夕べの差し入れのお返しのつもりなのかもしれない。
とりあえず半分も残っていなかったから、佐祐理さんに注ぎ足してもらう。
佐祐理「待ってくださいね」
よそ見しているうちに紅茶は注ぎ終わり、蒸気とともにハーブの香りが鼻元まで漂ってきた。
祐一「いい香りがするな。ハーブティーだよな、これって」
佐祐理「ええ、毎日種類を変えてるんですよ。たくさんありますから、遠慮せずに飲んでくださいね」
祐一「ああ、そうさせてもらうよ」
舞「・・・・・・・・・」
気づくと、また舞が俺のほうに向けて手を伸ばしている。
祐一「どうした、舞」
舞「・・・ノドが詰まったの」
祐一「・・・・・・」
はは・・・・・。
俺はその手に、まだ一口さえつけていないコップを握らせてやった。
ごくり、と喉元を鳴らした後、自分の口をつけた跡さえ拭わないままのコップを戻してくる。
俺はそれを受け取り、逆方向から口をつけた。
ごくり。
祐一「・・・・・・・・・」
祐一「・・・・・・佐祐理さん」
佐祐理「はい、なんですか?」
祐一「・・・これ、何が入ってるの?」
佐祐理「あははーっ、今日はちょっとひと工夫をして数種類の薬を入れてみたんですよーっ」
祐一「・・・なんか、体が痺れて・・・・・意識が遠くなってきてるんだけど・・・・・」
佐祐理「それは、薬の有効成分ですね」
いや、有効成分っていうか・・・・・・意識がかなり遠のいて喋ることすら出来ないんですけど・・・・・
っていうか、なんで・・・・舞は・・平気な・・・・ん・・・・・だ・・・・・がくっ
舞編 1月13日 完
評:戦闘シーンがネタ浮かびませんでした。ごめんなさい。