舞編 1月13日

昼休みになると、俺は屋上に向かう。

すると、彼女達に会える。

佐祐理「あ、祐一さん。こんにちはーっ」

祐一「また来ちゃったけど、おじゃましていいかな?」

佐祐理「あははーっ、大歓迎ですよ」

佐祐理さんは本当に、人当たりのいい人である。

に、比べてこっちは・・・・・・

けろぴー「・・・・・・・・・・」

相変わらず、目もくれない。

俺が裸で座っていたって、淡々と飯を食っていそうな気がする。

祐一「舞、夕べはどうだった・・・・・って、なにいっ!?」

気づくと、舞ではなく、けろぴーが座っていた。

っていうか、なんでけろぴーが学校来てるんだっ!

いや、根本的に舞はどこいったんだぁっ!

 

 

佐祐理「温かい紅茶がありますけど、いかがですか、祐一さん?」

その佐祐理さんが魔法瓶を手に勧めてくれる。

祐一「お、いいね。でも、コップがないんだけど」

ジュースの缶はあったが、まさかその中に注ぐなんてことはできないだろう。

佐祐理「佐祐理ので良かったら・・・・・・」

佐祐理さんが言い出した途中で、にゅっと思わぬ方向から手が伸びてきた。

舞が(いつのまにかそこに居た)、自分のコップを俺に向けて差し出していた。

佐祐理「舞、いいの?」

舞「・・・後で返してくれたら」

祐一「そうか、悪いな・・・って、まだ中、残ってるんだけど・・・」

舞「いい」

祐一「・・・・・・」

まあ、これが舞なりの精一杯の誠意なのだろう。

夕べの差し入れのお返しのつもりなのかもしれない。

とりあえず半分も残っていなかったから、佐祐理さんに注ぎ足してもらう。

佐祐理「待ってくださいね」

よそ見しているうちに紅茶は注ぎ終わり、蒸気とともにハーブの香りが鼻元まで漂ってきた。

祐一「いい香りがするな。ハーブティーだよな、これって」

佐祐理「ええ、毎日種類を変えてるんですよ。たくさんありますから、遠慮せずに飲んでくださいね」

祐一「ああ、そうさせてもらうよ」

舞「・・・・・・・・・」

気づくと、また舞が俺のほうに向けて手を伸ばしている。

祐一「どうした、舞」

舞「・・・ノドが詰まったの」

祐一「・・・・・・」

はは・・・・・。

俺はその手に、まだ一口さえつけていないコップを握らせてやった。

ごくり、と喉元を鳴らした後、自分の口をつけた跡さえ拭わないままのコップを戻してくる。

俺はそれを受け取り、逆方向から口をつけた。

ごくり。

祐一「・・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・佐祐理さん」

佐祐理「はい、なんですか?」

祐一「・・・これ、何が入ってるの?」

佐祐理「あははーっ、今日はちょっとひと工夫をして数種類の薬を入れてみたんですよーっ」

祐一「・・・なんか、体が痺れて・・・・・意識が遠くなってきてるんだけど・・・・・」

佐祐理「それは、薬の有効成分ですね」

いや、有効成分っていうか・・・・・・意識がかなり遠のいて喋ることすら出来ないんですけど・・・・・

っていうか、なんで・・・・舞は・・平気な・・・・ん・・・・・だ・・・・・がくっ

舞編 1月13日 完

評:戦闘シーンがネタ浮かびませんでした。ごめんなさい。