舞編 1月14日

昼休みになると、すぐさま席を立ち、学食へと向かう。

そこでまだ食べ飽きてないパンふたつに、おにぎりひとつを見繕い、折り返し階段を登って行く。

まるで日課となりつつある、舞達と共に取る昼食。

おかしなことがきっかけで知り合った仲だが、今では不思議な居心地の良さを感じる。

佐祐理さんは人が良いし、舞は舞で喋っていて興味深いところが多い。夜の件に関係なく、だ。

颯爽と階段を駆け上がり、いつもの場所に顔を出す。

祐一「・・・・・・・・・」

誰もいなかった。

屋上に出たのだろうか。

この季節なかなか開けられることのない鉄製の重い扉を開け、突風のまともに吹き付ける屋上へと歩み出る。

祐一「・・・・・・・・・」

人の気配はない。

祐一「佐祐理さーんっ!」

祐一「舞ーっ!」

見えないところにいるのかと思ったが、こんな寒さの中で一体何をしようと思うのだ、と自分の考えに呆れてしまった。

しばらく待って見ても彼女達が現れる気配もなく、俺は階段を降り、教室へ戻った。

 

〜放課後〜

パタパタと階段を駆けあがる名雪と別れて、ひとり廊下を歩いているとその先に見知った顔があった。

彼女が一人で居るなんて初めて見たから、近くに寄るまでそうとは確信できなかった。

でもやはりそれは、佐祐理さんだった。

祐一「どうしたの、佐祐理さん」

佐祐理「あ、祐一さん。こんにちは」

祐一「舞を待ってるの?」

佐祐理「ええ・・・。あの・・・」

祐一「うん?」

佐祐理「昼休み・・・待ってました?」

祐一「ああ、ちょっとだけ。来る様子がなかったから、すぐに引き返したけど」

佐祐理「ごめんなさい・・・・・」

祐一「どうしたんだ?なんだか元気ないみたいだけど」

佐祐理「そんなことないですよーっ、あははーっ」

どうみても空元気である。

祐一「舞は・・・・・?」

そう聞いてみると、一瞬で顔が変わる。

佐祐理「・・・・・・・・・あはは・・・」

祐一「?」

佐祐理「・・・・・め・・・目潰しっ!」

ぐさっ!

祐一「ぐわぁっ!」

佐祐理さんが、音速で俺に目潰しを食らわせた。

っていうか、それ俺のネタだし・・・・・・。

★  ★  ★  ★  ★  

祐一「よし、じゃあ夜食タイムといくか」

そう言うと、舞はこくりと頷いた。

俺は手に掲げていた袋から、寿司の詰め合わせパックを取り出して開封する。

祐一「温かいもののほうが良かったかな」

舞「寿司嫌いじゃないから・・・・・」

祐一「そうか、そりゃ良かった。相変わらずコンビニものだから味は保証できないけどな」

祐一「なにがいい?」

舞「プリン」

祐一「それは寿司じゃないだろっ!だいたいそんなものがコンビニの寿司に入ってるか・・・・って、何ぃっ!?

言いかけて俺は絶句した。

ちゃんとプリンが入っていた。何故!?

舞編  1月14日 完

評:う〜ん、今回は歯切れ悪かったっすね。いや〜ん、許して〜。てなわけで、次回頑張ります。