舞編 1月28日

5時間目が終了した時のことである。

声「祐一さんっ、ちょっといいですかっ」

ノートを片付けていたところに、声をかけられる。

名雪にしては口調がヘンだな、と思って顔を上げる。

祐一「ぐあっ・・・・・」

けろぴー「あははーっ」

けろぴーだった。

祐一「・・・佐祐理さん、身代わりはやめてください」

佐祐理「あははーっ、ばれましたか」

 

祐一「それで、どうしたの?俺も佐祐理さんに話があったところなんだけど」

佐祐理「あ、祐一さんも知っていたんですね。さすがですねーっ」

佐祐理さんはひとりで的を射たように言っているが、俺にはなんのことか言っている意味がさっぱり分からない。

佐祐理「じゃあ、一緒に見に行きましょうよ」

祐一「よし、行こう」

なんだか知らないが、佐祐理さんのお誘いなら断る理由も無い。

佐祐理「それとも、祐一さんは、もう決めてあったりして」

祐一「いや、決まってないと思う」

佐祐理「そうなんですか?じゃ、良かったです」

佐祐理「佐祐理も決まってないんです」

佐祐理「だから祐一さん、ふたりでひとつのものにしませんか?」

祐一「それはいいかもしれない」

佐祐理「でしょう?」

なにやら適当に返事してしまっているうちに、勝手に話が進行してしまっている。

祐一「で、何の話なんだ?」

佐祐理「ふぇ?」

佐祐理「誕生日の話じゃないですか」

祐一「佐祐理さんの?そりゃめでたい」

佐祐理「違います、舞のです」

祐一「舞?それもめでたい」

佐祐理「それで一緒にプレゼントを買いに行きませんか、って話をしているんじゃないですか」

祐一「あ、そうだったのか」

佐祐理「別々に渡すより、そのほうがいいものをあげられると思うし、舞も喜んでくれると思うんですよ」

そう言ったところで、チャイムが鳴り始める。

佐祐理「じゃあ、今日の放課後、舞に内緒で買いに行きましょうね」

 

祐一「にしても、何が嬉しいんだろうな」

商店街に辿り着くと、当然のようにその話題を持ち出してみる。

佐祐理「何をあげても喜んでくれますよ」

祐一「なにをあげても素のまま、という気がするが・・・」

佐祐理「はい?」

祐一「いや・・・・去年は何あげたんだ、佐祐理さん」

佐祐理「去年は出雲の『出雲そば屋』です

祐一「はい?」

佐祐理「収益率50%でお得なんですよーっ

・・・佐祐理さん、そりゃ桃鉄。

祐一「で、本当に何あげたんだ?」

佐祐理「去年はオルゴールです」

佐祐理「小さな髑髏がたくさん飛んでいる、可愛いオルゴールです

祐一「・・・なんでやねん」

・・・・それで喜ぶ舞も怖いのだが。

 

舞編 1月28日 完

あとがき:さて・・・相変わらずラスト思いつかないです・・・うーん・・・夢オチってもうダメですかねぇ・・・