5時間目が終了した時のことである。
声「祐一さんっ、ちょっといいですかっ」
ノートを片付けていたところに、声をかけられる。
名雪にしては口調がヘンだな、と思って顔を上げる。
祐一「ぐあっ・・・・・」
けろぴー「あははーっ」
けろぴーだった。
祐一「・・・佐祐理さん、身代わりはやめてください」
佐祐理「あははーっ、ばれましたか」
祐一「それで、どうしたの?俺も佐祐理さんに話があったところなんだけど」
佐祐理「あ、祐一さんも知っていたんですね。さすがですねーっ」
佐祐理さんはひとりで的を射たように言っているが、俺にはなんのことか言っている意味がさっぱり分からない。
佐祐理「じゃあ、一緒に見に行きましょうよ」
祐一「よし、行こう」
なんだか知らないが、佐祐理さんのお誘いなら断る理由も無い。
佐祐理「それとも、祐一さんは、もう決めてあったりして」
祐一「いや、決まってないと思う」
佐祐理「そうなんですか?じゃ、良かったです」
佐祐理「佐祐理も決まってないんです」
佐祐理「だから祐一さん、ふたりでひとつのものにしませんか?」
祐一「それはいいかもしれない」
佐祐理「でしょう?」
なにやら適当に返事してしまっているうちに、勝手に話が進行してしまっている。
祐一「で、何の話なんだ?」
佐祐理「ふぇ?」
佐祐理「誕生日の話じゃないですか」
祐一「佐祐理さんの?そりゃめでたい」
佐祐理「違います、舞のです」
祐一「舞?それもめでたい」
佐祐理「それで一緒にプレゼントを買いに行きませんか、って話をしているんじゃないですか」
祐一「あ、そうだったのか」
佐祐理「別々に渡すより、そのほうがいいものをあげられると思うし、舞も喜んでくれると思うんですよ」
そう言ったところで、チャイムが鳴り始める。
佐祐理「じゃあ、今日の放課後、舞に内緒で買いに行きましょうね」
祐一「にしても、何が嬉しいんだろうな」
商店街に辿り着くと、当然のようにその話題を持ち出してみる。
佐祐理「何をあげても喜んでくれますよ」
祐一「なにをあげても素のまま、という気がするが・・・」
佐祐理「はい?」
祐一「いや・・・・去年は何あげたんだ、佐祐理さん」
佐祐理「去年は出雲の『出雲そば屋』です」
祐一「はい?」
佐祐理「収益率50%でお得なんですよーっ」
・・・佐祐理さん、そりゃ桃鉄。
祐一「で、本当に何あげたんだ?」
佐祐理「去年はオルゴールです」
佐祐理「小さな髑髏がたくさん飛んでいる、可愛いオルゴールです」
祐一「・・・なんでやねん」
・・・・それで喜ぶ舞も怖いのだが。
舞編 1月28日 完
あとがき:さて・・・相変わらずラスト思いつかないです・・・うーん・・・夢オチってもうダメですかねぇ・・・