プロローグ
さて、なにを買って帰ろうか、と悩みながら商店街へと入る。
祐一(ほんとうに、俺が食べたいものを勝って帰ればいいのかな・・・)
だが、それでみんなに嫌な顔をされる、という事態だけは避けたかった。
祐一(豚足なんて買って帰ったら、ヤバイだろうな・・・・)
・・・・・・・。
祐一「・・・・?」
商店街に入ってから、誰かにつけられているような気がしていた。
名雪が追いかけてきたのだろうか?
あるいは昨日知り合った、数少ないクラスメイトか?
親しくは無くとも、なぜだか顔見知りのような気がした。
それに、出がけに見た。人影も気になる。
振り返っても、夕飯時を前に賑わいを見せる通りに、その姿を見つけ出すことは出来なかった。
判然としないまま、俺はスーパーの自動ドアをくぐった。
そして惣菜を数点見繕って出てくると、目の前にそいつはいた。
待ち伏せていたのだろう。
全身を使い古した毛布で被い、顔も確認できない。
祐一「誰だよ、お前」
祐一「ずっとつけてただろ」
少女「やっと見つけた・・・」
だが意外にも声は少女のものだった。
ただならぬ空気が漂う。
少女は纏っていた布を投げ捨てた。
がしゃっ、と音を立てて布が落ちた。
・・・・っておい、布がなんで「がしゃっ」って言うんだよっ!
もしかして、すっごく重い布?ドラゴ○ボールかっ!?
少女「・・・・あなただけは許さないから」
一体どんな見知った顔が暴かれるか、と思ってみれば、まったく見覚えの無い顔だった。
祐一「お前のようなやつに恨まれる覚えはないぞ」
少女「あるのよ、こっちには」
どちらにしても、穏便に済みそうな状況ではなかった。
なにより少女の目は真剣で、冗談でそんなことを言ってるのではないことがわかる。
少女「・・・・覚悟!」
少女が固めた拳を後ろに引き、間合いを一気に詰めた。
俺はそのまま殴られることにした。
少女の拳が飛んでくる。
祐一(まあ、本編ではたいしたことない威力だったし、だいじょぶだろ)
ドガアアアァァッ!
それは大きな間違いだった。
俺の体は5メートルぐらい上に吹っ飛んだ。
・・・ってオイ!なんでこいつがこんな腕力持ってんだぁっ!
俺の体はそのまま地面に激突・・・・
ぐしゃ。
しなかった。
俺は少女の真上に落ちた。
つまり、少女は下敷き。
当然少女は気絶している。
このままでは非常にマズイので、俺は少女を背中におぶってそそくさと退散を決め込んだ。
これが俺と真琴の出逢いだった・・・・。
裏Kanon 真琴編
プロローグ 完
評:う〜ん、なんか自分でもイマイチですね〜。やっぱりおいしいところを後に残したからかな〜?
というわけで、次は面白いはず。しかし、残り4キャラを同時進行って、すごい疲れるっすね(笑)