真琴編 1月11日

真琴「祐一ーっ」

部屋に戻ってきて鞄を置くなり、真琴の声がして、ドアが開いた。

祐一「お前な、ノックぐらいしろ」

俺は着替えようと制服のボタンをはずしかけていた手を止めて、真琴の顔を見た。

真琴「祐一、こんなところに隠れていたの?」

祐一「どこが隠れてるんだ。それに今戻ってきたばかりだぞ」

真琴「じゃあ、中に入って良い?」

祐一「お前って以外に律儀だよな。俺を付け狙っているくせにさ」

真琴「・・・儀式は夜じゃないと出来ないから」

にやり。

祐一「・・・・って、儀式ってなんだっ!しかもその笑いはなんだっ!?」

真琴「祐一には内緒」

いや、内緒って言われても・・・・・。

 

真琴「なにこれ・・・・・」

机の上に置いてあったものに反応して、声を上げる。

祐一「あん?」

真琴が手に取っている本は、漫画本だった。

祐一「マンガだよ。それがどうした?」

真琴「・・・・・・・・・・」

なんだか知らないが、ページをめくって見入っている。

祐一「読みたいんだったら、そこにあるの全部貸してやるから、自分の部屋で読めよ」

真琴「・・・・・・」

祐一「おいっ、真琴っ」

真琴「・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・」

真琴「・・・・・・」

真琴「・・・ねぇ、祐一」

祐一「なんだよ」

真琴「同人誌はないの?」

祐一「どうしてそういう知識はあるんだっ!」

っていうか、それでマンガが分からないっていったい・・・・・。

 

・・・・・・・・・。

・・・・。

・・・。

ギ・・・・ギ・・・

祐一(ん・・・?)

ギ・・・・ギ・・・・

また音がする。

祐一(真琴の奴か・・・・)

祐一(わざわざ起き出して・・・・今度は何をしようっていうんだ・・・?)

ガチャ・・・ぎぃ・・・・

俺の部屋のドアが開く。

真琴「あはは・・・・・・」

祐一(ばれてるんだよ、馬鹿)

俺はまた、飛び出す頃合を見計らって息を潜める。

真琴「・・・・・・」

シュッ

何かを擦る音が聞こえた。実際は小さい音なのだろうが、この静けさの中、それは一際大きく聞こえた。

ぎぃ・・・ばたんっ。

ドアが締められ、人の気配がしなくなる。

祐一「ありゃ?」

祐一「・・・・・・・」

何をしていったのだろう。俺は暗闇の中、目を凝らして見る。

が、それよりも早く鼻が異様な臭気を察知した。

祐一「なんだぁっ!?」

さっと、壁の端により、電灯をつける。

部屋の中心から、火花が噴出していた。

・・・・・って火花?煙じゃないのかっ!?

しかも火花の周りには、新聞が山ほど置いてあった。

そしてさらに、あきらかに「ニトログリセリン」という単語が思い浮かぶようなシロモノが置いてあった。

祐一「まっ、まさかっ!?」

チュドオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!

 

水瀬家、崩壊。

真琴編1月11日 完

評:いや、真琴のいたづらをもっと過激にと思ったんですけど・・・・・・。