真琴「祐一ーっ」
部屋に戻ってきて鞄を置くなり、真琴の声がして、ドアが開いた。
祐一「お前な、ノックぐらいしろ」
俺は着替えようと制服のボタンをはずしかけていた手を止めて、真琴の顔を見た。
真琴「祐一、こんなところに隠れていたの?」
祐一「どこが隠れてるんだ。それに今戻ってきたばかりだぞ」
真琴「じゃあ、中に入って良い?」
祐一「お前って以外に律儀だよな。俺を付け狙っているくせにさ」
真琴「・・・儀式は夜じゃないと出来ないから」
にやり。
祐一「・・・・って、儀式ってなんだっ!しかもその笑いはなんだっ!?」
真琴「祐一には内緒」
いや、内緒って言われても・・・・・。
真琴「なにこれ・・・・・」
机の上に置いてあったものに反応して、声を上げる。
祐一「あん?」
真琴が手に取っている本は、漫画本だった。
祐一「マンガだよ。それがどうした?」
真琴「・・・・・・・・・・」
なんだか知らないが、ページをめくって見入っている。
祐一「読みたいんだったら、そこにあるの全部貸してやるから、自分の部屋で読めよ」
真琴「・・・・・・」
祐一「おいっ、真琴っ」
真琴「・・・・・・・」
祐一「・・・・・・・」
真琴「・・・・・・」
真琴「・・・ねぇ、祐一」
祐一「なんだよ」
真琴「同人誌はないの?」
祐一「どうしてそういう知識はあるんだっ!」
っていうか、それでマンガが分からないっていったい・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・。
・・・。
ギ・・・・ギ・・・
祐一(ん・・・?)
ギ・・・・ギ・・・・
また音がする。
祐一(真琴の奴か・・・・)
祐一(わざわざ起き出して・・・・今度は何をしようっていうんだ・・・?)
ガチャ・・・ぎぃ・・・・
俺の部屋のドアが開く。
真琴「あはは・・・・・・」
祐一(ばれてるんだよ、馬鹿)
俺はまた、飛び出す頃合を見計らって息を潜める。
真琴「・・・・・・」
シュッ
何かを擦る音が聞こえた。実際は小さい音なのだろうが、この静けさの中、それは一際大きく聞こえた。
ぎぃ・・・ばたんっ。
ドアが締められ、人の気配がしなくなる。
祐一「ありゃ?」
祐一「・・・・・・・」
何をしていったのだろう。俺は暗闇の中、目を凝らして見る。
が、それよりも早く鼻が異様な臭気を察知した。
祐一「なんだぁっ!?」
さっと、壁の端により、電灯をつける。
部屋の中心から、火花が噴出していた。
・・・・・って火花?煙じゃないのかっ!?
しかも火花の周りには、新聞が山ほど置いてあった。
そしてさらに、あきらかに「ニトログリセリン」という単語が思い浮かぶようなシロモノが置いてあった。
祐一「まっ、まさかっ!?」
チュドオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!
水瀬家、崩壊。
真琴編1月11日 完
評:いや、真琴のいたづらをもっと過激にと思ったんですけど・・・・・・。