真琴編 1月14日

祐一「見ろ」

真琴「なによぅ」

持っていたアルバイトの情報誌を机の上に広げる。

真琴「なにこれ・・・・・・」

その中の1冊を手にとって中身を覗く真琴。

真琴「……字ばっかで面白くない」

祐一「面白いもんじゃない。だがこれで金が稼げる」

祐一「すると、漫画がたくさん買える。すると面白いだろう?」

真琴「お金もらえるの?」

祐一「ああ、働くんだからな、真琴は」

真琴「働く?」

祐一「漫画とか肉まんとかたくさん買いたいだろ?」

真琴「うん」

祐一「よし、真琴はどんな仕事がしたい?」

真琴「えっと・・・・・・横領

祐一「それは仕事じゃない!てゆーか犯罪だって!」

祐一「お前みたいな奴は、24時間ぐらい直立不動で立たされるような仕事に就かせてやる」

真琴「・・・・・・・・・ドモホルンリ○クル?」

祐一「・・・・・・・・・・そんな仕事もあったな。まあ、お前の場合は100歩譲ってこれだな」

俺は情報誌の片隅を指差す。

真琴「ん?」

そこへ真琴が顔を近づけて内容を読む。

真琴「マンガ喫茶・・・・・・ってなに?」

祐一「大量にマンガが置いてある喫茶店だよ」

真琴「盗んで良いの?

祐一「いいわけあるかっ」

真琴「なんだぁ・・・・・」

祐一「でも、客がいない時とかは、特別に盗めるかもしれないけどな」

・・・・・・なんか今、冷静に間違った事言わなかっただろうか?

真琴「ほんとう?」

祐一「さぁな。店によると思うけど」

真琴「で、なにするの?」

祐一「ウェイトレスって書いてあるだろ。客の注文を聞いて、飲み物や食い物を運ぶんだよ」

真琴「ふぅん。飲み物も出るんだぁ・・・・」

祐一「お前には出ないぞ」

真琴「わかってるわよぅ」

祐一「よし、ほら、電話で面接申し込め」

真琴「えっ?今から?」

祐一「早いほうがいいだろ。ほらっ」

不安げに眉をひそめている真琴を追いたてて、電話へと向かわせる。

 

祐一「どうだった」

真琴「明日の朝、10時までに恐山まで来てくださいって」

祐一「・・・・・・恐山?」

真琴「・・・どこ?」

祐一「・・・・真琴。やっぱ、マンガ喫茶中止な」

 

 

風呂に入り、歯を磨いた後、部屋に戻ってくると、俺はある違和感にとらわれた。

違う。なにかが違う。

部屋を見渡してみる。

ベッドの下、カーテンの後ろ、本棚の影・・・・・

クローゼット・・・・・・

祐一「・・・・・・・・」

両開きの戸の隙間から、血まみれの手がはみ出ていた。

祐一「・・・・・・・・」

手・・・・・・・・?

衣服の生地じゃなかったっけ・・・・・・・?

つーか、なんで血にまみれているんだっ!

(ある意味18禁ですな)

祐一(もしかして、真琴・・・・・・・?)

俺はとりあえず、試しに部屋の模様替えをして見る。

祐一「ふぅ・・・・・」

俺は消灯すると、布団にもぐりこむ。

真夜中、だんだんっ!と物音や、「・・・・あうっ!(吐血)」と人の声のようなものが聞こえたりしたが、俺は無視して眠りつづけた。

・・・・・・・・・吐血?

・・・・・明日、クローゼットの中を見るの、凄い怖いんですけど・・・・・・

真琴編 1月14日 完

あとがき:真琴が法律知ってたり吐血したり大忙しです(爆)