祐一「見ろ」
真琴「なによぅ」
持っていたアルバイトの情報誌を机の上に広げる。
真琴「なにこれ・・・・・・」
その中の1冊を手にとって中身を覗く真琴。
真琴「……字ばっかで面白くない」
祐一「面白いもんじゃない。だがこれで金が稼げる」
祐一「すると、漫画がたくさん買える。すると面白いだろう?」
真琴「お金もらえるの?」
祐一「ああ、働くんだからな、真琴は」
真琴「働く?」
祐一「漫画とか肉まんとかたくさん買いたいだろ?」
真琴「うん」
祐一「よし、真琴はどんな仕事がしたい?」
真琴「えっと・・・・・・横領」
祐一「それは仕事じゃない!てゆーか犯罪だって!」
祐一「お前みたいな奴は、24時間ぐらい直立不動で立たされるような仕事に就かせてやる」
真琴「・・・・・・・・・ドモホルンリ○クル?」
祐一「・・・・・・・・・・そんな仕事もあったな。まあ、お前の場合は100歩譲ってこれだな」
俺は情報誌の片隅を指差す。
真琴「ん?」
そこへ真琴が顔を近づけて内容を読む。
真琴「マンガ喫茶・・・・・・ってなに?」
祐一「大量にマンガが置いてある喫茶店だよ」
真琴「盗んで良いの?」
祐一「いいわけあるかっ」
真琴「なんだぁ・・・・・」
祐一「でも、客がいない時とかは、特別に盗めるかもしれないけどな」
・・・・・・なんか今、冷静に間違った事言わなかっただろうか?
真琴「ほんとう?」
祐一「さぁな。店によると思うけど」
真琴「で、なにするの?」
祐一「ウェイトレスって書いてあるだろ。客の注文を聞いて、飲み物や食い物を運ぶんだよ」
真琴「ふぅん。飲み物も出るんだぁ・・・・」
祐一「お前には出ないぞ」
真琴「わかってるわよぅ」
祐一「よし、ほら、電話で面接申し込め」
真琴「えっ?今から?」
祐一「早いほうがいいだろ。ほらっ」
不安げに眉をひそめている真琴を追いたてて、電話へと向かわせる。
祐一「どうだった」
真琴「明日の朝、10時までに恐山まで来てくださいって」
祐一「・・・・・・恐山?」
真琴「・・・どこ?」
祐一「・・・・真琴。やっぱ、マンガ喫茶中止な」
風呂に入り、歯を磨いた後、部屋に戻ってくると、俺はある違和感にとらわれた。
違う。なにかが違う。
部屋を見渡してみる。
ベッドの下、カーテンの後ろ、本棚の影・・・・・
クローゼット・・・・・・
祐一「・・・・・・・・」
両開きの戸の隙間から、血まみれの手がはみ出ていた。
祐一「・・・・・・・・」
手・・・・・・・・?
衣服の生地じゃなかったっけ・・・・・・・?
つーか、なんで血にまみれているんだっ!
(ある意味18禁ですな)
祐一(もしかして、真琴・・・・・・・?)
俺はとりあえず、試しに部屋の模様替えをして見る。
祐一「ふぅ・・・・・」
俺は消灯すると、布団にもぐりこむ。
真夜中、だんだんっ!と物音や、「・・・・あうっ!(吐血)」と人の声のようなものが聞こえたりしたが、俺は無視して眠りつづけた。
・・・・・・・・・吐血?
・・・・・明日、クローゼットの中を見るの、凄い怖いんですけど・・・・・・
真琴編 1月14日 完
あとがき:真琴が法律知ってたり吐血したり大忙しです(爆)