午前中の授業が終わると、下校して行くクラスメイトを横目に俺はモップを持って廊下に立っていた。
男子生徒「とっとと終わらせてしまおうぜ」
同じ掃除当番の男子が、俺の脇を駆け抜けていった。
午後からはどこへ出向こうかと浮かれていれば、これだ。
俺も渋々手を動かし始める。
が、ふと校門前を見下ろして、俺は再び手を止めてしまう。
遠目にもそれと分かる、見慣れた服装の少女がそこに立っていた。
祐一(真琴・・・・・・・)
祐一(なにやってんだ、あいつ・・・・・・・)
きょろきょろと下校して行く生徒たちの顔を確かめている様子だった。
祐一(俺を待っているのか・・・・・・・)
帰りしなに何か奢ってもらおうという魂胆だろうか。
祐一「ったく、寒いだろうに・・・・・・・」
女生徒「・・・・・・・・」
同じように真向かいで、その真琴を見つめていた女生徒がいた。
俺の呟きが聞こえたのか、彼女は振り返っていった。
女生徒「あなたの・・・・おでん種・・・・・でしょうか」
祐一「食うかっ!」
美汐め・・・・裏Kanonではこういう性格になったか。
女生徒「・・・・あれは、あなたを待っているのでしょうか」
祐一「だろうね。他にこの学校に知り合いは居ないはずだし」
女生徒「そう・・・・・・・」
女生徒「・・・・いい子そうですね」
じゅるり。
その少女がわずかに笑った。
・・・・・・じゅるり?
まさか、美汐までこうなるとは・・・・・・・。
祐一「ああ、いい子だよ。不器用だけどな」
女生徒「・・・・・・・」
下級生の女の子が無言で、廊下の奥へと歩いて行く。
階段に差し掛かると、そのままテレポートした。
ちょっと待てっ!なんで美汐がテレポートできるんだっ!?
美汐がますます分からなくなってきたな・・・。
1月19日 完
あとがき:
炭物「今日は美汐を目立たせて見ました。これから美汐が大活躍しそうですね(笑)」
美汐「炭物さん・・・・なぜ「(笑)」が入るんですか?」
炭物「(ぎくっ!)え?い、いや、美汐ちゃんがね、せっかく裏Kanonで性格変わったわけだしさぁ、あははは・・・・(汗)」
美汐「・・・・滅殺です」
炭物「うわ、待てっ!っつーか、それって東鳩の某琴音ちゃんのセリフじゃ・・・・・・」
美汐「問答無用ですよ・・・・・」
どごんっ!
炭物「ぎゃっ!・・・・・・・」←断末魔の悲鳴
美汐「・・・・・というわけで、炭物さんが死んでしまったので、ごきげんよう」