真琴編 1月23日

裏Kanonで語られなかったこと:今まで散々悪行を重ねてきた真琴が大人しくなる。っていうか、この辺はKanon本編と変わらないから(笑)

 

カチカチと箸が合わさる音が立つ。

皆が、真琴の手の動きに注目していた。

真琴はそんなことも知らずに必死に2本の箸と格闘している。

真琴「あぅーっ・・・・・・」

カチン、と音がして、その箸の一方が大きく跳ねた。

同時にいくつかの米粒が食卓にぱらぱらと散らばった。

真琴「あ、ごめん・・・なさい・・・」

秋子「こうでしょう、こう」

横から秋子さんが親切に箸の持ち方を示して見せる。

真琴「うん・・・・」

だが、真琴のほうは意気消沈していて、箸のほうをぐーで握ることしかしなかった。

祐一「俺が食わしてやろうか。あーん、してみ」

真琴「そんな子供みたいにっ、放っておいてよぅっ」

俺のからかいに対しては、敏感に反応する元気がある。

秋子「またドリルで食べる・・・・?」

真琴「・・・・・・」

真琴「うん・・・そうする」

秋子さんが立ちあがって、真琴のためにドリルを用意する。

・・・ってちょっと待てぇっ!なんでドリルなんだっ!本編ではスプーンだろっ!

秋子「はい」

渡してるしっ!

ががががががっ!

気づくと、テーブルごと茶碗を粉砕していた。

っていうか、ドリルで食えるのか?

 

昼休みになると俺は・・・・

1:天野を探していた

2:ひとり物思いに耽っていた。

3:ひとりリンボーダンスをしていた。

祐一(そんな選択肢無かっただろ・・・)

でも、横を見るとリンボーダンスの道具がある。

軽快な音楽まで流れている。

祐一(・・・・・何故?)

 

 

洗面所に入ると、妙なものが落ちているのに気づく。

祐一「なんだ・・・これ」

ねっとりと歯磨き粉がついたままの、歯ブラシだった。

(中略)

というわけで、真琴に歯を磨かせようとしたが

真琴「からいのヤだ・・・・」

祐一「からい?歯磨き粉がか?」

真琴「うん・・・・」

祐一「お前、今までそうやって磨いてたんだ?まさか磨いてなかったのか?」

真琴「ううん・・・ずっと磨いてたけど・・・・・」

真琴「ここ最近、磨けなくなっちゃった・・・・」

祐一「歯磨き粉、変わってたか・・・・・?」

真琴「うん、変わってる

祐一「・・・・・・え?」

本編では変わってなかったはずだよな・・・

というわけで、ためしに歯磨き粉をつけて歯を磨いてみる。

祐一「・・・・・・・・ぐっ!?

口にした瞬間、何か、この世のものではないものが見えた

というか、ショック死しかけた。

祐一「・・・・・か、からい」

こんな歯磨き粉は初めてだった・・・・・・

秋子「あら、祐一さん」

そこへ秋子さんがやってきた。

祐一「あ、秋子さん、ちょうど良いところに。これ、なんだか知ってます?」

と言って、例の歯磨き粉を見せる。

秋子「あら・・・・・・」

何か心当たりがあるようだった。

秋子「それ、私の手作りなんですよ

何ィィィィィィィィィッ!

秋子さんの手作りは料理だけだと思っていたが・・・恐るべし、秋子さん。

っていうか、普通歯磨き粉を手作りで作るかっ!?

ひょっとすると、裏Kanonで主役を奪うために俺達を亡き者にしようとしたとか・・・・!?

秋子「・・・・失敗ですか(ボソッ)」

図星っ!?

1月23日 完

あとがき:誰が暴走してるって秋子さんが一番暴走してますがな(笑)。危うし、祐一!(ヲイ)