栞編 1月25日

雪の残る風景を眺めながら、俺は寒空の下、学校への道を急いだ。

朝食を抜いたためか、思っていた以上に学校に早くたどり着いた。

この時間に学校へ来る生徒が一番多いのか、雪の積もった校門は制服姿で溢れ返っている。

道すがら数人のクラスメート度に、いつのまにかこの街に馴染んでいる自分に気がついた。

俺がこの雪の街で生活を始めてから、3週間近くが過ぎていた。

色々なことがあった。

本当に、色々なことが・・・・・・。

声「おはようございますっ」

ドスッ!!!と、ナイフで背中を刺すように誰かが俺の背中にくっついていた。

というか、ナイフが刺さっていた。

首を動かして、視線を後ろに向ける。

真冬の学校。

所々に残る雪。

溜まり血が出来た赤煉瓦の上に一人の少女が立っていた。

栞「えっと・・・・・すいません、嬉しくてつい刺してしまいました」

祐一「刺す・・・・・なっ・・・!」

意識が遠くなっていった・・・・・・。

 

祐一「おーい、栞」

学食の入り口でそわそわしている栞の姿を認めて声をかける。

栞「あ、祐一さん・・・・・・・」

安堵の表情で俺のほうにやってくる。

祐一「こんなところで待ってなくても、先に座ってたら良かったのに」

栞「緊張してしまって・・・・・」

栞「初めてなんです。学食に来るの」

相違って、怖々と学食の中を覗き込む。

栞「人が、たくさんいますね」

祐一「そりゃな」

栞「蹴散らして良いんですよね?」

祐一「ヤメロ」

栞「祐一さんだって言ってたじゃないですかー」

祐一「俺のは冗談だがおまえが言うとホントにやりそうな気がする」

っつーか、なんで栞がそのこと知ってるんだろ・・・

祐一「栞は何が良い?俺がとってきてやるけど」

栞「えっと、それでは、祐一さんと同じものでいいです」

祐一「俺はカレー頼むけど?」

栞「しゃげーっ!!!」

突然、栞が奇声を発した。

祐一「やっぱ裏Kanonでも辛いの嫌いなのか・・・・」

栞「しゃげーっ」

どうやら嫌いらしかった。

それでもカレーは頼んだ。

栞編 1月25日 完

あとがき:栞登校記念で暴走してます〜。ただ、一番最後だけ祐一が鬼ですね。たまに反撃とか(笑)