雪の残る風景を眺めながら、俺は寒空の下、学校への道を急いだ。
朝食を抜いたためか、思っていた以上に学校に早くたどり着いた。
この時間に学校へ来る生徒が一番多いのか、雪の積もった校門は制服姿で溢れ返っている。
道すがら数人のクラスメート度に、いつのまにかこの街に馴染んでいる自分に気がついた。
俺がこの雪の街で生活を始めてから、3週間近くが過ぎていた。
色々なことがあった。
本当に、色々なことが・・・・・・。
声「おはようございますっ」
ドスッ!!!と、ナイフで背中を刺すように誰かが俺の背中にくっついていた。
というか、ナイフが刺さっていた。
首を動かして、視線を後ろに向ける。
真冬の学校。
所々に残る雪。
溜まり血が出来た赤煉瓦の上に一人の少女が立っていた。
栞「えっと・・・・・すいません、嬉しくてつい刺してしまいました」
祐一「刺す・・・・・なっ・・・!」
意識が遠くなっていった・・・・・・。
祐一「おーい、栞」
学食の入り口でそわそわしている栞の姿を認めて声をかける。
栞「あ、祐一さん・・・・・・・」
安堵の表情で俺のほうにやってくる。
祐一「こんなところで待ってなくても、先に座ってたら良かったのに」
栞「緊張してしまって・・・・・」
栞「初めてなんです。学食に来るの」
相違って、怖々と学食の中を覗き込む。
栞「人が、たくさんいますね」
祐一「そりゃな」
栞「蹴散らして良いんですよね?」
祐一「ヤメロ」
栞「祐一さんだって言ってたじゃないですかー」
祐一「俺のは冗談だがおまえが言うとホントにやりそうな気がする」
っつーか、なんで栞がそのこと知ってるんだろ・・・
祐一「栞は何が良い?俺がとってきてやるけど」
栞「えっと、それでは、祐一さんと同じものでいいです」
祐一「俺はカレー頼むけど?」
栞「しゃげーっ!!!」
突然、栞が奇声を発した。
祐一「やっぱ裏Kanonでも辛いの嫌いなのか・・・・」
栞「しゃげーっ」
どうやら嫌いらしかった。
それでもカレーは頼んだ。
栞編 1月25日 完
あとがき:栞登校記念で暴走してます〜。ただ、一番最後だけ祐一が鬼ですね。たまに反撃とか(笑)