裏CLANNAD 智代編 4月16日
二時間目の授業が終わると同時に…
春原「やぁ、来てやったぜ」
春原が現れる。
朋也「何しに来たんだ?」
春原「夕べ話したろ」
春原「智代って2年の女に勝負を挑むってさ」
春原「これから行くんだよ」
朋也「おまえ、本気だったのな」
春原「こういうのは初めが肝心なんだって」
春原「この学校はそんなに甘くないって、教えてやらないとねっ」
春原「ほら、いくぞ」
春原「名前は」
朋也「確か、坂上智代だったと思うが」
春原「ふんっ、セコイことしそうな、チンケな名前だぜ」
朋也「読みにくい苗字の奴が言うな」
春原「関係ないでしょっ!」
春原「今、クラス聞いてきた。2−Bだってよ」
春原「ここだ…」
掲げられたプレートを見上げる。2−Bとあった。
春原「行くぞ」
朋也「ひとりでいけ」
春原「はっ、いってやるさ」
堂々と2年の教室に入っていく春原。
近くで立ち話をしていた男子を捕まえて、話を聞きだしていた。
戻ってくる。
春原「いねぇってよ」
朋也「でも、待ってりゃくるんだろ?」
春原「さぁ、どうかな。ヤラセで人気を稼ぐような奴だからな…」
春原「どっかの空き教室に男を連れ込んで…」
朋也「連れ込んでなんだよ?」
春原「そ、そりゃ…い、いやら…」
声「邪魔だ」
どんっ!
べきばきぼきっ!!
春原を突き飛ばし、女生徒が教室へ入っていった。
………いま、なんか凄い音が聞こえなかったか?
朋也「おまえさ、やっぱ、すんげぇ弱いんじゃない?」
しゃがみ込んで、無様に突っ伏している春原に言ってやる。
春原「ひ………ひでぶっ!!」
ぱぁんっ!!
春原、破裂。
………って、北○神拳!?
春原「くそっ、今の奴、叩きのめす」
春原「さっき、僕を突き飛ばした奴、出てこーーいっ!」
教室の中に向けて叫んでいた。
ってか、生きてたのかお前。
静まりかえる教室。
その中、ぎっ、と椅子を引く音がした。
女生徒「うるさいぞ」
ひとりの女生徒が立ち上がった。
威圧的な目が、春原を射抜く。
春原「岡崎さんよ…」
朋也「ああ、因縁をつける手間が省けてよかったな」
智代「なんだ、私に用か」
春原「ツラ貸せよ、コラァ」
朋也「どうでもいいが、いちいちセリフがだっさいのな、おまえ」
春原「水を差すな、こらぁ!」
智代「なんだ、さっきのことを怒ってるのか」
智代「入り口で立っていたら、邪魔だろう。ウチのクラスの連中も迷惑する」
春原「知るか、コラァ」
智代「わかった、次からはもう少し優しくしよう」
戻っていこうとする。
春原「おい、待てよっ!」
その肩をひっ掴む。
智代「なんだ、まだ用か」
春原「謝って済む問題じゃねぇんだよっ!」
智代「いや、謝ってもいないが」
朋也「おまえ、馬鹿にされてるよな」
春原「このっ…廊下に出ろっ!」
智代「………」
女が辺りを見回す。
たくさんの目がこっちを向いていた。
智代「仕方のない奴だな…付き合ってやろう」
教室を後にする。
春原「そういや、昨日もこうして男とやり合ってたよな」
智代「ああ。そうだったな…」
春原「ご苦労なこった。人気稼ぎもラクじゃないね」
智代「人気稼ぎ?」
春原「ヤラセなんだろう? ヤ、ラ、セ」
春原「女が男に勝てるはずありません」
どうして、いつもそこだけ丁寧なのか。
春原「金でも渡して、負けてもらってるんだろ?」
智代「………」
春原「それとも、金じゃなくて、あっちのほう?」
春原「女の子はいいねぇ。そういうので馬鹿な男は言いなりになっちゃうんだから」
智代「………」
春原「どうしたの? 図星でなんにも言えなくなっちゃったの?」
智代「………」
智代「…喜べ」
春原「何が?」
智代「同校の生徒には手を出すまいと思っていたんだがな」
智代「おまえだけは特別に相手してやろう」
智代「そもそもおまえ自身、素行の悪い不良生徒のようだからな。そうお咎めもないだろう」
朋也「ああ、ない。思いっきりやってくれ」
春原「おまえ、どっちの味方だよっ!」
朋也「少なくともおまえの味方じゃあないね」
春原「言ってろ。すぐに見直させてやるさ…惚れるなよ」
気持ちの悪い奴だった。
春原「いつでもこいよ」
智代「一応、正当防衛にしたいからな。かかってきてくれ」
春原「んなこと言って、後悔すんなよっ」
智代「ああ、しない。自信あるからな」
春原「いい気になってんじゃねぇよっ」
春原「死ねやぁーーーーーーーーっ!」
斬られ役のようなセリフを吐いて突っ込んでいく春原。
その時、俺は思い出していた。
噂に聞いたことがある。
…かつて、この町に、とんでもなく強い女がいたと。
夜の町を10フィート棒を持って徘徊しては、一般人に迷惑をかけたがる頭の悪い連中を棒で突いて歩いていた、と。
って、棒で突くだけ!?弱っ!!
っつーか、「棒を持って徘徊」って、ただの不審者にしか見え・・・
ひゅんっ!!どすっ!!
俺の脳天に、千枚通しがブスリと突き刺さる。
気にしてたのか………
智代「なんなんだ、こんな場所まで呼び出して」
旧校舎の人気のない廊下で、俺たちは智代と対峙していた。
朋也「こいつ、俺のダチで、春原ってんだ」
朋也「ちょっとだけでいいから、こいつの話、聞いてやってくれよ」
朋也「おまえに対する素直な気持ち、伝えるからさ」
春原「今からコクるみたいなシチュエーション作るなよっ!」
春原「………でも、折角だからコクっておくか」
智代「断る(即答)」
智代「悪いが、おまえみたいな、しつこい奴は何人も見てきた」
智代「けど、結果は同じだった」
智代「悪いことは言わないから、もうやめておけ」
智代「それとも、なんだ」
智代「…学校に来れないぐらいにならないと、気が済まないのか?」
この状況で、そんなセリフが言えるのか…。
春原「………」
その落ち着きようを前にしてか、喧嘩を売りにきた春原のほうが、焦り始めていた。
春原「へっ…」
が、ここまで来て春原も引けない。精一杯強がってみせる。
春原「学校に来れなくなるのは、さて…どっちかな」
朋也「おまえだ」
春原「回答すんなよっ!」
智代「おい、そこの部外者のようでいて、千枚通しを刺したままの関係者」
俺のことらしい。
って、まだ刺さってたのかよっ!!
智代「弁護してくれるな。正当防衛だったと」
朋也「ああ。これから先、いくらだってな」
智代「よし、いいだろう」
智代「なら、相手してやる」
春原「はっはっは! すげぇ自信だな、おい!」
智代「どうしてほしい」
智代「しばらく地上の人じゃなくしてやろうか」
朋也「それ、面白そうだ」
智代「そういうのは得意だ、任せておけ」
春原「んなことできるかよっ」
春原「つべこべ言ってねぇで、かかってこいよ!」
智代「ああ」
春原の目の前まで駆けた。一瞬だ。
春原「えっ…?」
春原「くそっ!」
春原が手を額に持っていく。
そして念を込める。
………あれ?なんか違うぞ。
ゴゴゴゴゴゴゴ………!!
うぉっ!!春原の周りに凄いオーラがっ!!
春原「はああぁぁぁっ………魔○光殺砲ッ!!」
撃てんのっ!?
春原のエネルギー波が、智代めがけ突き進む!!
すげぇ!!すげぇぞ春原!!なんで春原が撃てるのか思いっきり謎だけど!!
ただ、これなら智代もタダでは………
智代「マ○カンタ」
ド○クエっ!?
かきぃんっ!!ずどぉんっ!!
そして、見事にエネルギー波は跳ね返され、春原に直撃した。
トドメに、千枚通しが5本ほど尻に。
智代「………」
智代「まずい…」
智代「死んだかも…」
あれだけやっといて今更何を。
そして。
春原「つーか、普通、マホカ○タって、エネルギー波を跳ね返すのかよっ!!」
突っ込みどころはそこか。
裏CLANNAD 智代編 4月16日 終
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ひとこと:
いきなり間が開いてしまい申し訳ありません。
ってか、智代のキャラがいまいち定着しないのが頭の痛いところです。
「針」だけじゃインパクト不足なのですよ・・・
・・・って、何を真面目にこんな話をしてるんだ俺は_| ̄|○
次回はもっと面白くしてみたいですよ。
例のごとく、感想・批判・指摘・意見などお待ちしております。
・・・今回は批判がいっぱい来るかなぁ_| ̄|○
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