裏CLANNAD 智代編 5月4日
今日も、智代は台所に立ってくれていた。
その姿をじっと見つめている俺。
朋也（ああ、こんなそそるシチェーションを前に、何もできない俺…）
朋也（というか、それをさせない智代という存在…）
朋也（その彼氏である俺…）
なんつーループだ…。
智代「おまえは、またヘンな妄想でもしてるんじゃないのか？」
いや、その妄想すら恐ろしくてできないんだが…。
智代「そんなところに突っ立って、惚けた顔をされていたら、そう考えるぞ」
うわ…そんな惚けた顔をしてたのか…。
まるで、欲求不満じゃないか。
自己嫌悪に陥り、背を向ける。
智代「待て」
朋也「え？」
智代「いや、まあ、見ていてくれるのは…うれしい」
智代「ずっと、そばに居てくれてるんだからな…」
智代「ただ、ヘンな妄想はするな」
朋也「じゃあな…」
智代「待てっ」
智代「わかった、ほんの少し、妄想することも許そう…ゆっくり妄想していってね！！」
朋也「いや、お前はそういうキャラじゃないだろ」
朋也「じゃあな…」
智代「待てっ」
智代「わかった…」
智代「ちょっとは度が過ぎた、妄想も許そう…」
＞■度の過ぎた妄想をする
■じゃあな…と去る
朋也「ふ…ふふふ…」
朋也「許可を出したが最後だ…」
智代「ものすごい妄想をされそうだな…」
朋也「ただいま帰ったぞ〜」
智代「うん、おかえり」
智代「今日は早かったな。まだ作ってる途中なんだ」
朋也「ああ」
智代「腕ひしぎ逆十字固めが先か、それともシャイニングウィザードが先か？」
なんでどっちもプロレス技なの！？
智代「それとも…アレが先か？」
この選択肢での「アレ」ってのも凄い怖いんだが………
朋也「アレ」
即答なのか俺。大丈夫なのか俺！！
智代「即答とは…相変わらずだな…」
智代「まったく仕方のない奴だ…」
智代「でも、今は手が放せないんだ…」
智代「時間通り作る、これはうまく料理を作るコツだからな」
智代「だから…」
智代「その…勝手に後ろからしてくれてかまわない…」
智代「私は…頑張って作っているから…」
ああ…智代。おまえは理想の嫁さんだ…。
結婚してよかったよ…。
朋也「はぁ…はぁ…」
俺は鼻息荒く、智代の背後にまわり…
スカートの中に手を差し入れ、智代の下着の両端を摘んで、引き下ろしにかかる。
さくっ。
朋也「…え？」
…今の擬音はなんだ？
下着を脱がしたなら、しゅるっ…とかそんな音ではないのか？
ぶしゅーーっ…
何かが額から吹き出している。
よく見ると、そこには菜っぱらしきもの。
朋也「うおぉぉーーーーーっ！ 大根まで刺さるのかぁーーっ！！」
智代「朋也…」
智代「…私が後ろからしてくれてかまわないと言ったのは、岡崎家に伝わる雨乞いの舞だ…」
そのネタまだやるのっ！？(智代編5/2参照)
智代「なんだ…どうしたいんだ。言ってみろ…」
言うぐらいなら、何も刺さらないだろうか…。
朋也「えっと、その…」
智代「なんだ。はっきり言え。怒らないから」
朋也「え？ マジで怒らないか？」
智代「ああ、怒らない」
朋也「じゃ…」
朋也「…抱きしめたい」
智代「呆れた奴だな…」
智代「それは…料理中じゃなくてはダメなのか」
朋也「その…料理してる家庭的なところがいいなって思って」
智代「そうか…」
智代「わかった…」
朋也「え？」
智代「邪魔にならないよう、ちょっとだけだぞ」
ついに叶う…
描いていた妄想が…。
朋也「はぁ…はぁ…」
俺は背後に一歩、二歩と近づいていく。
智代「おまえ…襲うようだぞ…」
智代「その手をワキワキ動かすのはよせ…」
朋也「あ、ああ…」
朋也「気にしないで料理を続けてくれ…」
智代「当然だ」
ぴたり、とその背に俺は張りついた。
髪の毛に顔を埋める。
智代の匂いがする。それを嗅いでいると、ますます自制が利かなくなる。
智代「朋也…」
それは、智代も同じなのか…
そっと、頭を委ねてきた。
智代「…昔もこうだったか」
朋也「…え？」
智代「朋也の…お母さんのことだ」
智代「同じように感じてもらえると…いい」
そう言って、屈託なく笑った。
下心など、その一言で吹き飛んでいた。
ここに立つ人間は、もっと崇高なんだ。
そう感じた。
朋也「そうだな…」
料理の邪魔にならないよう、ずっと抱きしめ…その存在を感じ続けた。
智代「ゆっくり感じていってね！！」
朋也「お前それ台無し」
裏CLANNAD 智代編 5月4日 終
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ひとこと：
ゆっくり………いやなんでもない。きっと疲れてるんだ俺。
でも、1日1回ゆっくりしていかないと気が済まない俺。
半年後これ見てどう思うんだ俺。
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