祐一「ちーっす」
佐祐理「あ、祐一さん、いらっしゃいませー♪」
祐一「佐祐理さんたちのクラスは、何やってるの?」
佐祐理「あははーっ、お芝居ですよーっ」
祐一「へー、随分凝ってるねー」
佐祐理「もうすぐ始まるんですよーっ。見ていってくれませんか?」
祐一「よし、じゃあ見させてもらうよ」
佐祐理「あははーっ、ありがとうございますーっ」
内容は、推理物だった。
舞が探偵役をやっていたのにはびっくりした。
ある屋敷で殺人事件が起こったのだが、凶器が見つからず、それを推理していくものだった。
舞「・・・犯人は・・・この中に居る・・・」
役者A「えぇっ!?それは本当ですか、探偵さん!」
舞「・・・はちみつクマさん」
祐一(通じてるんか!?)
舞「犯人は・・・あなた」
犯人役「えぇっ!?わ、私が犯人!?」
舞「はちみつクマさん」
犯人役「で、でも、肝心の凶器はどこなんだっ!」
舞「・・・これ」
と言って舞が差し出したものは・・・
祐一「だぁっ・・・・」
観客「(ぼそぼそ)静かにしろ!」
祐一「あ、はい、すみません・・・」
舞が差し出したのは、ジャムだった。
しかも黄色。
祐一(絶対謎ジャムだろ・・・あれは。なんであんなところにまで謎ジャムが置いてあるんだ?)
とかやってるうちに、舞が犯人を追い詰めていた。
舞「・・・自首したほうがいい」
犯人役「くっ・・・・。こうなったら・・・野郎ども!出会え出会え!」
そう言うと、何故か犯人の周りに数十人の刀を持った男達が出てくる。
祐一(何だ!?何が起こるんだ!?)
犯人「野郎ども!やっちめぇっ!」
舞「・・・成敗」
いつのまにか、舞は刀を握っていた。
祐一(って待てっ!なんで時代劇になってんだっ!)
てーてーてーっ!てててててててーーてーーてーーーーっ!(←暴れ○坊将軍の戦闘のテーマ)
カキーンッ!カキーンッ!
舞が一人でばっさばっさと敵を倒して行く。
そして、数名しか敵が残らなくなった時・・・。
役者A「静まれぇい!」
役者B「静まれ静まれぇい!」
祐一(・・・今度は何だ?)
役者A「この紋所が目に入らぬかぁ!」
といって葵の紋の付いた印籠を出す。
観客がざわめいている。
当たり前だ。どうして急に水戸○門になってんだ・・・。
役者A「こちらにおわすお方をどなたと心得るっ!恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞっ!」
バァーーーンッ!
犯人役「ははーーーっ!」
舞「・・・ぽんぽこたぬきさん」
祐一(意味わかんねぇよ・・・)
佐祐理「どうでしたか祐一さん。面白かったですかーっ?」
祐一「・・・あの脚本書いたの誰?」
佐祐理「あははーっ、あれは佐祐理が書いたんですよーっ」
祐一「・・・佐祐理さん」
佐祐理「はい?」
祐一「佐祐理さん、凄いよ・・・」
佐祐理「あははーっ、そんなことないですよーっ。佐祐理は人よりちょっと頭の悪い、普通の女の子ですから」
佐祐理さんは俺の皮肉にも気づかなかった。
祐一「さて・・・どうするかな」