裏CLANNADことみ編 4月23日

授業開始のチャイムが鳴った。
 朋也「さて、行くか…」
椅子から立ち上がろうとした瞬間、後ろから肩を掴まれた。
 声「ん〜? どこに行くんだ? 岡崎」

振り向くと、至近距離にダースベーダーとダースベーダーを足して2乗したような教師のわざとらしい笑顔があった。

「ような」っていうか完全にダースベーダーだろ。

 教師「おまえ四時間目の授業、まともに出とらんらしいじゃないか。シュコー

わざとらしく変な呼吸すんな

 教師「今日は最初から最後まで、きっちり受けてもらうからな。覚悟しろ。シュコーシュコー

しつこいよ!!

 教師「作者にスターウォーズ知識がゼロだから仕方ないだろう、シュコー

ネタにするなら予習しとけよ!!

 ことみ「いただきましょう。貴様の全てを残らず、な

ことみラストジャッジメントの中二病っぷりにも磨きがかかってきたようである。

口に出すと間違いなく六法全書で「全☆殺☆し」されるので絶対言わないが。

 朋也「いただきます」
そして、食事が始まる。
今日のメニューは純和風だった。
炊き込みご飯と、魚の照り焼き、ほうれん草の胡麻和え、厚焼き玉子…
俺が一通り食べて箸を休めるまで、ことみはじっと見ている。
 ことみ「おいしい?」
 ことみ「お魚、ちょっと焼きすぎちゃったから、心配なの」
 朋也「いや、うまいぞ、マジで」
ことみの分がもう一切れあるのを見て、食べかけを全部口に入れた。
 朋也「これ、何の魚なんだ?」

 ことみ「捌いた魚の名前など、一々覚えていられない。このことみ様の前ではどんな魚も全て平等にひれ伏すべき存在なのだからな

名前の分からんもんを調理すんなよ!!

気になることがあった。
今日無茶をしすぎたせいで、明日からマークがキツくなるのは見えている。
というか、そもそもこの時間、ここで昼飯を食ってるのが異常な状態のわけだ。
この先ずっと続けられるとは思えない。
 朋也「なあ、おまえさあ…」
 ことみ「?」
三色パンをちぎっていたことみが、きょとんと俺の方を向く。
 ことみ「授業免除って聞いてるけど、本当に大丈夫か? 出席日数とか」
 ことみ「だいじょうぶ」
即答だった。
 朋也「あっさり言うよな、おまえ…」
 ことみ「ほんとはね、ふたつのことだけ守れば、だいじょうぶなの」
 朋也「ふたつって、何だ?」

 ことみ「在学中に全日本中二病選手権で優勝し続けることと、できるだけいい二つ名を考えること

せめて勉強関係にしとけよ!!

 朋也「ここの生徒は、たいていそれを目標にしてるけどな

してたまるかッ!!

 朋也「大学か…」
三年生で進路のことを考えていないのは、俺と春原ぐらいかもしれない。
進学にしても就職にしても、自分には全く関係ないことのように思える。
 朋也「おまえ、どこ受けるか考えてるか?」
ことみなら海外の大学にだって楽々入れる気がする。
というより、外国なら飛び級して、とっくに大学にいてもおかしくないのだろう。
 ことみ「ううん。学校案内をたくさんもらったけど…」
 朋也「迷ってるのか?」

 ことみ「どんな大学も、このことみ様の前では全てFランク以下だ。そんな学校に興味は無い

中二病患者は向こうのほうからお断りのような気がする。
いつもの廊下の角。
ことみはまだいなかった。
鞄を足元に置き、壁にもたれて待つ。
今日は誰に会わせよう?
色々と考えてみる。
校舎全体が、放課後の騒がしさに包まれている。
鞄を提げた生徒たちが、何人かずつ連れ立って帰っていく。
ことみはなかなか姿を見せなかった。
15分ほど経った時だった。
校内放送のチャイムが鳴った。

『3年A組の一ノ瀬さん、3年A組の一ノ瀬さん、至急職員室へ来てください。………(ごすっ!!)ぶべらっ!!

………何か最後に不吉な断末魔が聞こえた気がするが、気のせいだと思っておこう。
ことみのことだ。
何の呼び出しなんだろう?
優等生だからなのか、サボりの常習犯だからか、微妙なところだ。
どちらにせよ、俺の方に来るのは遅くなるだろう。
でもあまり時間がかかるようだと、会わせようとする奴の方が帰ってしまうしな…
どうしようかと思っていると、またチャイムが鳴った。

『3年A組のラストジャッジメントことみ様、3年A組のラストジャッジメントことみ様…』

呼び出しですら二つ名かよ!!

ていうかさっきの断末魔はことみの六法全書がヒットした音だろ!!

職員室まで行ってみることにした。
呼び出しの理由を詮索するつもりはないが、融通がきかないことみのことだ。
どっちを優先していいかわからなくて、機能停止しているかもしれない。
 朋也(…つーか、それじゃまんまロボットか)
可能性がないこともないのが恐いが。
 朋也「失礼しまーっす」
適当に挨拶して、職員室に足を踏み入れた。
生活指導の教師がこっちをじろりと睨み、露骨に顔を背ける。
構わずに見渡すと、A組の担任はちょうど席を立ったところだった。
 朋也「一ノ瀬って、まだ来てませんか?」

 A組担任「えっ?ラストジャッジメント様?

お前もかよ!!

頭に六法全書が刺さった怪訝そうな顔で俺のことを見る。

さっきの放送はお前か
ていうか教師にまで手を出すとかただの問題児だろこれ………。

裏CLANNAD ことみ編 4月23日 終
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ひとこと:

本編でもことみがあんまり出てきてないからなかなかネタが出なかったよごめんね。
本当は「〜〜で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」とかネタを入れたかったけど思い浮かばなかったよ。
今日で2010年も終わりだけど、来年は本気でことみ編終わらせたいね。
ということで、また来年。
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