裏CLANNAD 4月17日 

坂の下。
あいつはまた、そこで立ち尽くしていた。
古河はまた、そこで立ち尽くしていた。
 朋也「おはよ」
 渚「はい、おはようございます」
 朋也「また、どうしたんだよ、こんなところで」
 古河「待ってたんです、岡崎さんを」
 朋也「待ってた…?」
 渚「はい、これからは毎朝一緒にファミコンウォーズのテーマを歌いながらいこうと思いまして」
 朋也「はぁ?」
と同時に、どこからともなくBGMが。
〜ファミコンウォーズが出るぞ♪〜
〜ファミコンウォーズが出るぞ♪〜
〜こいつはどえらいシミュレーション♪〜
〜こいつはどえらいシミュレーション♪〜
〜のめりこめる!!〜のめりこめる!!〜
〜のめりこめる!!〜のめりこめる!!〜
…………今の若い人は知らないネタだと思います。
 渚「迷惑だったら、その…しないですけど…」
迷惑というか、すっごい恥ずかしいんですけれども。


女の子と校内を歩く、というのはやたら恥ずかしいものだな…。
何気なく、隣を歩く女の子の横顔を見る。
 朋也(どっちかというと、羨ましがられるのかな…)
 古河「………」
 古河「…え? なんでしょうか」
 朋也「いや…」
パン売場の前は、相変わらず商品台に近づくだけでも困難なほどの混みよう。
 古河「今日は、いつもよりも人が多いようですけど…」
 朋也「だな…」
 古河「わっ…」
今、古河の脇を駆け抜けて、ひとりの男子生徒が果敢に人波の中にダイブした。

ぼんっ!!

謎の爆発音とともに、男子生徒は灰になった。

………………死んだ?
 古河「裏ですから、死人の一人や二人ぐらいぐらい出ますよ。」
思い切ったこと言いますね、渚さん。
でも実際、一人(大佐)死んでるしね……
 古河「………」
 古河「帰りましょう」
さっきあっさり『死人はつきもの』って言ってた人のセリフとは思えません。
 朋也「大丈夫だって。俺が買ってきてやるから」
 朋也「だから、何が食いたいかだけを言え」
 古河「あんパンでいいです」
 朋也「かぁっ…んなもん、わざわざこの時間に来なくても買えるだろ?」
 朋也「今しかないものを言え」
 古河「それじゃあ…贅沢言います。いいですかっ」
 朋也「ああ、こい」
 古河「えっとですね…」
ぐっと、両手を握る。
 古河「二色パンをお願いしますっ」
 朋也「なんだそれ」
 古河「ひとつのパンの中に、赤い色の何か緑色の何かが入ってるんです」
 古河「それはそれは不思議なパンなんですっ」
不思議すぎ。
てか、明らかに劇物っぽい?
 朋也「ふぅん。そんなものがあったのか、知らなかった」
赤色やら緑色やらが入っているようなパンにはまったく興味がなかった。いや当たり前だけど。
 朋也「じゃ、行ってくる。生還を祈っていてくれ」
ぐっ、と親指を立ててみせる。
 古河「骨は拾ってあげます
古河も、ぐっ、と親指を立てて見せた。
死亡決定!?


 朋也「時間どれぐらいある?」
 古河「予鈴まで二十分ほどあります」
 朋也「よし。じゃあ、その時間を使って、部員募集の告知を作ろうぜ」
 古河「はいっ」
力強く、古河は頷いた。
ふたりがかりで、A4用紙にマジックペンで文字を書き連ねていく。
 朋也「まずは説明会の日取りを決めて、そこで説明だな」
 古河「日取り、いつにしましょう」
 朋也「近すぎても部員が集まらないからな…二週間ぐらいみといたらどうだ」
 古河「はい。5月から活動開始ということで、とてもキリがいいです」
そううまくいけばいいが。
キュッキュッ。
 古河「できました」
 朋也「うーん…なんか足りないと思わないか?」
 古河「さぁ、なんでしょう…」
俺が足りないと思うのは…
 朋也「色気だ」
 古河「色気、ですか?」
 朋也「ああ。裏CLANNADはこれからもっともっとエロエロなシナリオになるんだからな
 古河「なりませんっ」
ぱんぱんぱんぱんぱんっ!!

撃たれた。

 朋也「って、普通に死ぬわぁっ!!


そう…。
 朋也「イラストだ」
 古河「そうですね。あれば、可愛いと思います」
 朋也「というわけで、古河、描け」
 古河「わたしがですか?」
 朋也「おまえの他に誰が描く」
 古河「岡崎さん」
 朋也「ちなみに俺は美術は1だぞ」
 古河「わたしも、得意な科目じゃないです」
 古河「中学生の時、自画像描きませんでしたか」
 朋也「ああ、描いた」
 古河「一生懸命描いたのに…先生に、美味しそうな謎ジャムですね、って言われました」
そもそも美味しい謎ジャムなんて存在しないんだが。
 古河「簡単な絵でもいいですか? それだったら、ひとつだけ得意なのがあります」
 朋也「いいよ。可愛かったら」
 古河「ものすごく可愛いですっ」
言って、ペンを動かし始める。鼻歌を歌いながら。
それはどこかで聞いたことのあるメロディだった。だけど、なんだったかは思い出せない。
気になって、覗き込むと、小さな丸の中に顔を描いていた。
ひとつが出来たかと思えば、次々と同じものを連ねていく。
部員募集の告知は、たちまち謎な生き物によって占領されていく…。
 古河「できました」
胸を張ってビラを見せてくれる。
 朋也「ぐあ…」
…隙間なく、謎の生物に埋め尽くされていた。
っていうか、怖い。なにこの緑色の物体?
 朋也「アホな子か、おまえはっ!」
 古河「はい?」
 朋也「見ろっ、文字が読めないだろっ!」
 古河「そうですね…読みづらくなってしまいました」
 朋也「どうして、わけのわからない謎な生き物をこんなにたくさん描いたんだよ…」
 古河「謎じゃないです。すごく有名です」
 朋也「なんだよ」

 古河「ガチャ○ンです

 朋也「………ガチャ○ン?

 古河「はい。目が飛び出てて、頭にプロペラがあって、毛がもじゃもじゃしているガチャ○ンです

混ざってますよ、渚さん。

裏CLANNAD 4月17日 終
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ひとこと:
今日は少しぐらいまともになった気がします。
久しぶりに昔書いた裏Kanonとか読み返してみたんですが、あの頃のキレをもう一度取り戻したいですね。
っていうか、ム○クみたいなガチ○ピンがいたらホントに怖いなぁ、と思いました。
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