裏CLANNAD 4月25日 

 朋也(眩しい…)
布団の中に頭を埋め直し、微睡む。
………。
 朋也(しばらく真面目に出てたんだから…遅刻してもいいだろ)
………。
 朋也(演劇部の件も、結果は駄目だったけど…一段落ついたし…)
………。
突然、古河の顔が思い出された。
俺の腕の中にいた。
その場の陽射しや木の影の形まで、克明に思い出せた。
抱いた古河の肩の小ささ。
近くで嗅いだあいつの髪の匂いまでも。
そして、腕の中で、古河は小さく頷く。

おいどんはこれでもガチョウですたい、と。

…………ガチョウって何!?

っつーか、このネタ分かる人なんていないだろうなぁ……


 朋也「あのさ、古河…」
 古河「はい、なんでしょう?」
いつもの古河だった。
少しだけ、ほっとする。
 朋也「いや、なんでもねぇ…」
 古河「そうですか」
 古河「では、行きましょう」
 朋也「ああ…」
歩いていく。
なら、やっぱり…信じていないんだ。
俺は坂の下で立ち止まっていた。
 古河「どうしましたか?」
たくさんの生徒が、俺たちを抜いて、坂を登っていく。
 朋也「慰めで言ったんじゃないからな」
 古河「何をですか?」
 朋也「昨日、言ったことだよ」
 古河「えっと…」
古河は少し考えた後…
 古河「はい」
そう下を向いたまま答えた。
 古河「実は今日は…」
 古河「昼ご飯にどんなパンを食べようかって…もう考えないできました」
 古河「今まではそれが楽しみで、支えだったんです」
 朋也「………」
 古河「でも今日からは別の楽しみができましたから、そのことを考えてきました」
 朋也「何をさ」
 古河「岡崎さんが獲物で…わたしがそのハンターで…」
見事に間違ってます、渚さん。


キュンキュン!!という声が聞こえてきた。
…………どこかで聞いたような。
渚が音のするほうを見る。そして…
 渚「あ…」
驚きに声をあげた。
 渚「春原さんです」
 朋也「え…?」
俺も同じように目を移す。
すると、前庭の広場に、鉄球を持つ春原の姿があった。
 朋也「…あいつ…なんのつもりだ?」
 渚「バスコを始めようと思い立ったんです」

アレをまたやるのっ!?

 朋也「三年だぞ。今から部活に入れるわけないし、無意味だ」
 渚「違います。ひとりきりで始めたんです」
 朋也「そんなみじめなことを始める奴かよ、あいつが」
春原は俺たちに気づいたようだ。鉄球をその辺に捨てて、こっちに向かって歩いてくる。
 春原「キュンキュン!!
普通に喋れ。
 渚「おはようございます。春原さん」

通じてるッ!?

 渚「春原さん、バスコ、始めたんですね」
 春原「キュンキュン!!(勘違いするなよ。これは手段だ)」
 渚「はい?」
 春原「キュンキュン!!(合唱部の甘ちゃんどもにわからせてやるんだよ)」
 春原「キュンキュン!!(ハンデなんて関係ないってことをな)」
 春原「キュンキュン!!(やってくれるよな、岡崎)」

まず普通に喋れっ!!


 春原「よぅ」
昼食を終えたと同時、この穏やかな時間に波風を立てようとする者が現れる。
 春原「練習だ、こいよ」
 朋也「おまえ、俺の朝の話聞いてたか?」
 春原「なんだっけ」
 朋也「断ったんだ。ひとりでやれ」
 春原「口ではそう言うが、本心は違うな」
 春原「おまえはバスコがやりたい。僕にはわかっている」
命が惜しいからぜってぇやらねぇ。
 春原「さぁ、こい」
 朋也「いかねぇって」
 春原「あまのじゃくな奴だな…」
 春原「まぁ、いい。古河、こいよ」
 渚「わたし…ですか?」
 春原「手伝ってほしいんだ」
 渚「わたし、ドリブルしながら狙撃できないです。下投げでないと、手榴弾も投げられないです
流石にドリブルしながら狙撃は無理だろっ!!

つーか肩弱ッ!!


裏CLANNAD 4月25日 終
4月24日へ 4月26日へ
ひとこと:
まず謝っておきます。
数行いじり回すだけなのに3,4日かかって、しかも今回はネタ的に全くダメな出来になってしまいました_| ̄|○
やっぱりまだまだ本調子とはほど遠いところにいますので、長い目で見ていただけるとありがたいです。
裏CLANNAD-TOPへ SS一覧へ トップへ