裏CLANNAD 5月07日
 渚「それでは、いってきます」
 朋也「いってきます」
 早苗「はい、いってらっしゃい」
 秋生「おぅ、エンジョイしてきやがれ」
いつものように、二人に見送られ、家を後にする。
 渚「わかりました」
登校する生徒に混じって歩きながら、渚は話を始める。
 朋也「何が」

 渚「金ダライを取り入れたら、今よりもっとよくなるはずです」

 朋也「・・・金ダライ?

 渚「そうです。ビデオの演劇では、クライマックスで、金ダライが落ちてきました

落ちるかっ!!

 朋也「ああ、そうだったな」

って、落ちたのか!?

………ひょっとして渚が見たのって、演劇じゃなくてドリフ………

と思ったところで、渚が仕込み杖を取り出しているのが見えたので思考を取り止める。

 渚「それをわたしも取り入れたいです」
 朋也「あれは、いかりやが食らうからいいんじゃないのか?」
 朋也「おまえひとりで歌っても、盛り上がらないだろ」
いや、そこまで突っ込んで話さなくても、俺。
 渚「やめておいたほうがいいでしょうか…」
 朋也「おまえ、タライには自信あるのか?」
 渚「演劇はまだやったことがありません。けど、タライはドリフの時間とかに落としたことがあります」

そんな時間割は存在しな………

 朋也「そりゃそうだろう。俺だってある」

って、テキスト通り喋るな俺っ!!

 渚「ですから、できればタライを入れたいです。とても良くなる予感がします」
 朋也「そっか…まぁ、好きにすればいいと思うけど」
 朋也「けどな、劇が良くなるとか、そんなこと考えなくていいと思うぜ」
 渚「はい?」
 朋也「落としたいなら、落とせばいい。俺が言いたいのはそれだけだよ」
 渚「わかりました。落としたいです。ですから、落とします」
 朋也「ああ、落とせえ。精一杯な。それが一番大事だ」
 渚「はいっ」
って、本当に落とすことになってるじゃないか………。

 渚「落とします。朋也くんに

ターゲットは俺ッ!?



今、目の前で渚が演じている。
手には手作りの台本。
演劇のストーリーは、聞いた話のまんまだった。

世界にひとり取り残されてしまった女の子が、核廃棄物を集めて人形を作りました。

すると、それが動き出して、鉄腕ア○ムが誕生しました。

めでたし、めでたし、と。

って、めでたしなのかっ!?

実際、割り当てられた時間は短かったから、それぐらいがちょうどいいのかもしれない。
渚の練習風景を見ながら、ふと、その話を初めて聞いた時に覚えた既視感のようなものを思い出していた。
記憶のどこかにある情景が渚の演技に重なるかと期待していたが、それもなかった。
そこまで完成していないのだ。
 朋也(いや…この物語は、完成しないのだろうな)
そんな予感がしていた。
あまりに手がかりが少なすぎる。
それに、それを探してるのは俺ひとりだ。
渚はもう、満足してるじゃないか。
俺も、こいつの心配だけをしていよう。
そして、創立者祭を無事終えたら…
もっと恋人らしいことをして過ごそう。
今はただ、こうして見守っていることが俺の役目なのだ。

裏CLANNAD 5月07日 終
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ひとこと:
・・・・・・あれ?本編の5月7日ってこんなに短いの?(本編プレイ後第一声)
つーことで、メチャクチャに短くて申し訳ありません。
もっと更新頻度を上げたいですよぉ・・・うぅ。
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