裏CLANNAD 智代編 4月24日


カシャア!
眩しい…。
俺は反射的に上体を起こして、目をこする。
けど、なかなか目が開かない。

 けろぴー「朋也、おはよう」

またこのネタかよ!!

 けろぴー「ちなみに、裏CLANNAD智代編4月25日でもこのネタはやるぞ

いや、もう充分だろ。



昼休み。
 春原「智代ちゃん、こないねぇ」
 春原「でも、先に食ってると蹴られそうだからなぁ…」
 朋也「安心しろ。蹴られるのはおまえだけだ」
俺は食べ始める。
 春原「わーっ、食うなよっ!」
結局、昼休みが終わるまで、智代は姿を見せなかった。
これまで通りに戻っただけだったのに、無性に退屈に感じられた。
俺はただ…

 ■ふぐりをもぎり取られたいだけなのかもしれない
 ■呪詛をかけられたいだけなのかもしれない
 ■千枚通しを脳天に突きつけられたいだけなのかもしれない


俺、ドMッスね。


 朋也「昼休み、どうしたんだ」
 智代「うん…説明を受けていたんだ」
 朋也「なんの?」

 智代「もちろん、サバイバル生徒会選挙のだ」

今、余計な単語がくっついていた気がしたが。

 智代「なんだ朋也、知らないのか?サバイバル生徒会選挙を」

 朋也「少なくとも、俺の人生の中では

・・・まぁ、俺の頭の中では、『無人島に置き去りにされた役員候補が、自力で1ヶ月生き抜く』みたいな感じのイベントになっているんだが。
裏CLANNAD的にはそれぐらいは行くよな・・・。

 智代「………ちっ

うんわ、何その『朋也ごときにネタを見抜かれた』みたいな顔!!



 智代「選挙活動が始まるんだ、朋也」
 朋也「ああ、そうか…」
 朋也「おまえ、本気なんだな」
 智代「当然だ。なんだ、冗談だと思っていたのか」
 朋也「いや…」
 智代「決意は固い。簡単なことでは揺るがないぞ」
 朋也「そうかよ」
 智代「どうした、朋也」
 智代「元気がないな」
 朋也「そう見えるか」
 智代「見える」
 朋也「なら、俺の顔は、やっぱり正直なのかもな」
 智代「どういう意味だ」
 朋也「なぁ、智代」
俺は足を止め、智代に向き直る。
 朋也「本当に、生徒会になんて入りたいのか」
 智代「ああ…言っただろ。決意は固いんだ。簡単なことでは揺るがない」
 朋也「じゃあ…簡単じゃなくしてやろうか」
 智代「なんだ、どうやってだ」
俺は智代の腕を取って、引き寄せる。
そして、そばまで寄ってきた智代の口に自分の口を合わせた。
 智代「………」
智代は、よけられたはずなのに、よけなかった。
じっと、受け止めた。
智代は息を止めているのか、鼻息すら感じられなかった。
 朋也「………」
口を離す。
俺はそのまま離れようとしたが、今度は智代から求めてきた。
もう一度合わせる。
智代の耳越しに下校していく生徒が見えた。
何人も、こんな俺たちを目に止めたんじゃないだろうか。
それぐらい長い時間、口を合わせていた。
 朋也「楽しいんだ」
口を離して、智代の目を見つめて、そう言った。
同じ目。
似た者同士の目。
こんな学校で出会えた、仲間だ。
 朋也「おまえと最後まで学生生活を送りたい」
 智代「私もそうしたい…」
 朋也「じゃあ、そうしよう」
 朋也「毎日さ、今日までのように楽しく過ごそう」
 朋也「春原をコケにしてさ…喧嘩もいいし、朝走るのだっていい」
もしかしたら、これは恋じゃないかもしれない。
でも、智代と一緒にいたいのは確かだった。
 智代「でも…決めたことなんだ」
 智代「やらなければいけないことがある」
 朋也「どうして」
 朋也「それは、俺とこうして過ごすことよりも、大切なことなのか」
 智代「どっちが大切だとか、そういう問題じゃない」
 智代「決めたことなんだ。途中で諦めたりしたくない」
 智代「それに、やっぱり…私の中では大切なことでもある」
 朋也「じゃあ、なんだ。俺はどうすればいいんだ」
 朋也「おまえが落選するのを祈っていればいいのか」
 智代「朋也は…そんなに、生徒会に籍を置く人間が嫌なのか」
 朋也「おまえは…一年前に同じセリフを他人から言われたらどう答えていた」
 智代「そうだな…」
 朋也「それに、そうなれば、おまえは忙しくなるだろ」
 朋也「こんな馬鹿やってる時間なんてなくなる」
…目的がある人間は、もう俺たちとは違うんだ。
 智代「それは、努力する」
 朋也「………」
 朋也「…もう、そん時は違うんだよ」
 智代「何がだ?」
 朋也「………」
俺はその問いには答えなかった。
 朋也「やっぱり…」
 朋也「俺は、おまえが落選するのを祈るしかないようだ」
 智代「それは残念なことだ…」
 智代「なら今から、私たちは敵同士ではないか」
 朋也「いや…」
 朋也「俺は恋人同士がいい」
 智代「…え?」
 朋也「そうすりゃ、おまえの意志が少しでも鈍るんじゃないかと思ってさ」
 智代「そうか…」
 智代「…ならそれを期待してるがいい」
 朋也「じゃ、構わないってことか?」
 智代「うん…仕方のない奴だな…」
俺は、智代の顎を指で引いた。
そしてもう一度、口を合わせた。
智代はきっと、生徒会に入ることになるだろう。
こいつなら、それを実現してしまうと思う。
智代には、どんな欲もなくて、ただ真っさらな希望だけがある。
それは、どんな障害もなく、真っ直ぐな道だけがある、ということだ。
皆に祝福されて、その道を歩いていけるのだと思う。
それを運命というのか、人徳というのかわからなかったけど…
ただ、そんな未来を感じさせる。
今、抱いているこの腕で、確信として。


………でもさぁ、裏CLANNADの智代が生徒会入ったら、すっごい恐怖政治になりそうな予感が………。

 智代「………朋也、それ以上喋ったら極太千枚通しを刺すぞ?


裏CLANNAD 智代編 4月24日 終
智代編 4月23日へ 智代編 4月25日へ
ひとこと:
大変です、2時間睡眠しかしてません。
休みなのに何やってるんですか俺、もう若くないんですよ。
それはさておき、なんだか1ヶ月更新が癖になってしまいました。
このままではいけません、ちゃんと1週間に1回更新したいです。
・・・でも、出来れば仕事に慣れるまではカンベンしてください・・・_| ̄|○
裏CLANNAD-TOPへ SS一覧へ トップへ