裏CLANNAD 智代編 4月25日


カシャア!
カーテンを開ける音。そして、眩しい光。
 けろぴー「朋也、朝だぞ」
 朋也「………」
 朋也「…あん?」

俺は薄目を開いて、自分の部屋に立つけろぴーの姿を確認する。

そうか…。
こいつと付き合うってことは、こんな朝も日常になってしまう、ということか…。
正直、キツイぞ…。

っていうか!!3連続でこのネタはどうなのよ!?

 けろぴー「作者に二言はない」

しつこ過ぎだよ!!

あとついでに前回更新から何年経ってると思ってんだよ!!(内輪ネタ)

 けろぴー「2005年6月が最終更新だからな、約1年半以上か」

言葉にすると凄い間が空いてたんだな・・・
(いや、ホントごめんなさいby作者)


 春原「正直、迷惑なんだけど…」
 智代「ほぅ。それは私の厚意が迷惑と言ってるんだな」
 春原「い、いや…なんつーか、智代ちゃんが迷惑とか言うんじゃなしに…」
 春原「この早朝に起こされる行為が迷惑ってだけで…」
 智代「早朝って…普通の時間だぞ?」
 春原「い、いや…」
 春原「ああ、つまり、岡崎っ、てめぇが悪いっ、こんな朝早くから起こすんじゃねぇ!」
 智代「私の発案だぞ?」
 春原「………」
 春原「もぅ、いいです。頑張ります」
 智代「うん、頑張れ。すぐ慣れる」
ああ、あの春原が更正していく…。
 智代「とりあえず、走るべきだ。そんなに余裕のある時間じゃない」
 春原「了解ッス」
俺たちは走り出す。
 春原「カーッ、寝起きにキッツ〜」
 智代「文句を言わずに走れ」
 春原「うぃ〜ッス」
 春原「………」
 春原「あれ?」
春原が俺に身を寄せてくる。
 朋也「なんだよ、気持ち悪ぃなっ」
 春原「おまえ…匂うぞ」
 朋也「何がだよ」
 春原「女の匂い」
俺はギクリと体を強ばらす。
 朋也「気のせいだよっ」
言って、俺は口の周りを手の甲で拭う。
 朋也(これが智代の匂いなんだろうか…)
匂いを嗅いでみるが、全然何も感じない。
 春原「おまえがこんな女の子らしいけろぴーの匂い、ぷんぷんさせてたことなんてかつてねぇよ」
口じゃなくて、体か。
確かに、体も合わせていたから、移っているのかもしれなかった。

って、それ単にカエル臭いだけっ!?



 春原「坂ダッシュ…キッツー!!」
坂を登りきったところで、春原が膝に手をついて、息を吐いた。
 智代「うん、もう間に合う。ここからはゆっくり行こう」
 女生徒「智代先輩、がんばってくださーい!」
黄色い声。
 智代「ああ、ありがとう」
 春原「あん? 智代ちゃん、何頑張るの」
 春原「また、喧嘩?」
 智代「違う」
 朋也「そうか…選挙活動が始まったのか」
廊下の掲示板。俺はそこに張られた紙に並べられた名前を見る。

…生徒会長補佐代理見習いドングリ拾い立候補者・坂上智代。

………なんか余計な単語が色々くっついてる気がするのですが。

 智代「やはり生徒会たるもの、ドングリ拾いも一流でなければならないからな

ドングリ拾いがいつから必須スキルになったよッ!?

 智代「なかなか灰汁を取るのが大変なんだ。縄文人の知恵には頭が下がる」

無理して食うなよッ!!


昼休み…。
 智代「………」
 春原「………」
 朋也「………」
…空気が重い。
智代も、悪戯などしようとせず、黙って自分の昼ご飯を食べている。
 春原「きっと、当選するよ、おまえ」
あえて、春原はその話題を口にした。
 智代「どうして、そう思う」
 春原「おまえは、曲がったところがないからな」
 春原「そういう奴は得てして、人の上に立っちまうんだよ」
 智代「生徒会は生徒の上に立っているわけじゃない」
 春原「下から見れば、そう見えるんだよっ」
 春原「それにさっき、情報を集めてみたらさ…」
 春原「他にめぼしい奴はいないってさ」
 智代「誰が」
 春原「僕より、2年の連中に詳しい奴さ」
 春原「そいつも、おまえで決まりじゃないかって」

 春原「颯爽とこの春から現れて、話題をかっさらっていった千枚通しとその使い手

なんで千枚通しがメインで智代がサブなの!?

 春原「そんな奴を差し置いて、誰に投票するよ」
 智代「………」
 春原「なんだ、うれしくないのか?」
 春原「素直に喜べよ」
 智代「複雑なんだ。素直になんて、喜べない」
 春原「どうして」
 智代「そもそも、どうしてこんなに空気が重いんだ」
 春原「そりゃ、おまえのせいだろうよ」
 智代「だからだ…」
 春原「あん?」
 智代「だから、複雑だと言ったんだ」
 智代「こんな毎日になってしまうのが、悲しい」
 春原「はぁ…?」
春原があんぐりと口を開ける。
 春原「智代ちゃん…キミね、まさか生徒会長になっても、ここに来るつもり?」
 智代「なんだ、ダメなのか?」
 春原「かぁぁーっ…」
春原が顔を手で押さえて、ため息をつく。
 智代「ここに来たいんだ」
 春原「どうして」
 智代「楽しいからだ」
 春原「こっちは楽しくねぇよっ」
 智代「そうか…」
俺はずっと黙っていた。
…放課後。
 春原「先、帰るからな」
 朋也「ああ」
目も合わせずに、春原は教室を出ていった。
まるで、友より女をとったことを非難するかのように。
生徒会を目指す智代を受け入れられない春原の気持ちもわかる。
俺は、恋人同士という関係で私欲を満たせているから、一緒に居られているだけだ。
でなければ、春原と同じように、俺も智代から離れていたはずだ。
 智代「朋也…」
 智代「正直、ショックだった」

 智代「春原は、いつだって死亡フラグ立ちまくりな奴だと思ってた」

まぁ、間違ってはいないけどな………
 智代「あんなに真剣に嫌がるなんて、思わなかった」
 朋也「だな…」
俺は窓に背を預けて、智代を背後から抱いていた。
 朋也「でも、やらないといけないんだろ?」
感情がこもっていない言葉。自分でもわかる。
 智代「うん…その通りだ」
予想通りの答え。
 朋也「智代…」
耳元で囁くと、顔が横を向いた。
その口に自分の口を合わせた。
 智代「ん…」
智代の匂いに包まれながら…ただ俺は、こうしていたいだけだった。

夜は、他にいくところもなく、俺は春原の部屋にいた。
 春原「おまえ…あいつが生徒会に入っても、一緒にドングリ拾うんじゃねぇだろうなぁ?」

 朋也「拾うかっ!!

 春原「だよな…当然だよな。馬鹿なこと訊いて悪かったよ」
 朋也「ああ」
 春原「まぁ、この流れじゃ、あいつが生徒会に入ってさ、無事厄介払いできそうじゃん」
 春原「だったら、今度こそ打ち上げだな。ドングリ鍋で乾杯しようぜ
 朋也「ああ、そうだな」
俺は感情もなく相づちを打って、床に寝転がった。


って、いつの間にドングリが浸透してるんだよッ!!

裏CLANNAD 智代編 4月25日 終
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ひとこと:
………。(←土下座している)
本文中でもありましたが、1年半以上もほったらかしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
休止中も沢山の方々から「裏CLANNADマダー?」と、励ましのメッセージをいただいたりしておりましたが、なんとか再開することができました。
ただ、今後どれくらいのペースで更新できるかはまったくの未知数なのが非常に頭の痛いところです…
ともかく、本当に申し訳ありませんでした。
せめて智代編だけは、なんとか終わらせたいと思いますので、何卒宜しくお願い致します〜………。
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